用語 ら/R
ラジウム226
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2時間で線量限度を超えると新聞に書いてありました… | |
半径5 m範囲でランダムに2時間滞在したと仮定すると3.6マイクロシーベルト程度となり、年間200日で0.7ミリシーベルトに、2年間400日で約1.5ミリシーベルトになります | |
子どもは動き回るだけではなく、一箇所にじっとすることもあると思います | |
線源に近いところに長い間滞在すると線量が高くなりますが、離れると線量は低くなりますね。 半径5m範囲内のみで2時間滞在すると仮定するとどのような線量分布になるのでしょうか? | |
10分毎に遊ぶ場所をランダムに変えた場合にはこのようになります |
線源に近いところにたまたま滞在していたら線量は高くなるのね… | |
それを繰り返すと考えて、10日毎の遊びパターンを2年間で40回繰り返したと考えると、どのような線量分布になるのでしょうか? | |
線源に近いところが好きな子どもは、40回そのパターンを繰り返したと仮定した場合はこのようになります |
平均は1.5ミリシーベルトで変わらないけど、このパターンだと中央値は1ミリシーベルトで百人に一人が5ミリシーベルト、千人に一人が8ミリシーベルト程度となるのですね | |
線源から半径5 m範囲内のみで全くランダムに2時間/日過ごした場合の400日間での線量はこうなります |
平均は1.5ミリシーベルトで変わらないけど、このパターンだと中央値は1.4ミリシーベルトで百人に一人が1.9ミリシーベルト、千人に一人が2.1ミリシーベルト程度となるのですね | |
よりじっとしている想定で、10分毎ではなく60分毎に遊ぶ場所をランダムに変えた場合には、中央値は1.1ミリシーベルトに減りますが、百人に一人が5ミリシーベルト、千人に一人が6ミリシーベルト程度となりそうです |
線源から半径1.5m内で1時間座ることが50回あったと仮定すると(ここでは仮想的に設定しています。推計の質をよくするためには現実的な設定とすることが望まれます)
子供の方が地面に近いので線量が高いのでしょうか? | |
線源の真上は確かにそうですが、常に子供の線量が高いとは限りません | |
斜めに入射する場合に土が遮へい体になるので、子供の方が線量が低くなるのですね |
最悪のシナリオを教えて下さい | |
線源を破壊し消化管吸収しやすい化学形にして、経口摂取させられた場合がもっとも危険ではないかしら… |
そこまでの最悪シナリオは考えなくてもよいとして、他にも線源があってそれを手に持った場合は危なくないですか? | |
Ra-226が壊変してできる子孫核種の1つであるBi-210は最大エネルギーが1.162MeVの電子を放出します | |
アイソトープ手帳にも掲載されているICRUのReport 56(1997)によると、点線源の場合の皮膚表面から70マイクロメートルの深さの吸収線量率は、皮膚の面積1cm2あたり1.5mGy/h/Bq となっています | |
37MBqでは54Gy/hとなりますが、これはベータ線によるので3mmの水の遮蔽で千分の2程度に小さくなります | |
少なくとも見つかった線源はしっかりと埋まっていた状態で手で直接触ったことは考えられず、厚さ2cmの土の上からだとベータ線の寄与は制動放射の影響を考えても小さくなり、毎分0.4ミリグレイ程度と考えられると言うことですね | |
放射能量がより大きい線源や、高いエネルギーの放射線を放出する核種である場合やカプセルの厚みが薄い線源では、手に持った場合の皮膚への線量が大きくなります |
ベータ線の最大のエネルギーはTl-210からの4.394MeVだと思います。これも考慮すべきではないですか? | |
Tl-210からのそのベータ線の放出比は0.194です | |
だからアイソトープ手帳の数字が大きくないのか… | |
Tl-210への分岐比は0.00021なので寄与は小さいと言うことですね |
体全体の影響は実効線量で考えると聞きましたが、放射線は近づいたら、その二乗で線量が増えるとも聞きました。近づいたら危ないのではないですか? | |
実効線量は標準人(標準幼児など)を考えた仮想的な量であり計測できません。このこため、実用量である線量当量で計測します | |
毎時480マイクロシーベルトは線量当量ですね | |
より詳しくは1 cm周辺線量当量です。線量当量は実効線量を安全側に評価するように設定しています | |
線量当量と実効線量の関係は、線量当量の種類や放射線場の特性に依存しますね | |
この事例では、より安全側に評価する傾向が強くなっています。実効線量の評価ではこの2cmの違いはほとんど影響を与えません。2cm近づいても体に入射する光子の数がほとんど変わらないからです |
公園は子どもが遊ぶ場であることを自覚した対策が必要なのは… | |
この事例は、厳密には、それには該当しませんが、現存被ばく状況(原子力発電所事故後の緊急時を脱した状況や自然の放射線が多い環境など)では、「小児や妊婦などの特別なグループにも特に留意すべきである」(ICRP Pub. 111, 45項) とされています |
100mSv以下ではリスクがないと考えてよいですか? | |
2015年4月24日に開催されたOECD-NEAの第130回Steering Committeeでの Policy Debate: Health Effects of Low-dose Radiationでは、Discussions indicated that, while scientific uncertainty remains, there are small but statistically significant and biologically visible risks at doses of 50 to 100 mSv. The safety of workers and the public remains the first priority of industry and regulators, recognising that public concerns drive protection to be rather conservative in nature.とされています |
同じところは何だろう? | |
ともに放射性物質で、ウランから生成されることかしら | |
放射性セシウムはウランの分裂で生成されるものとその後の中性子照射が加わって生成されるものがあります | |
Ra-226はU-238が壊変してできますね。子孫核種も考えるとともに電子と光子を放出するところも同じだと思います | |
Ra-226は子孫核種も含めてα線を放出するものがあり内部被曝では線量が大きくなります | |
日本人は経口曝露量が多いというお話しですね |
ラジウムは医療では使われなくなったのですか? | |
Ra-223の内用療法の開発が進められています |
計画被ばく状況だと線量限度を超えないように放射線管理することが求められていると思う | |
線量限度を守る必要がありますが、線量限度は超えなければよいというものでもありません | |
医療従事者が自らの身を守るために放射線防護をしているのは、線量限度を守るためだけはなく、防護の最適化を図るためでもあるのですね |
局所の吸収線量と実効線量はどのような関係ですか? | |
実効線量は、各臓器の等価線量を組織加重係数を考慮して平均したものです。等価線量は、臓器の平均吸収線量に放射線加重係数で重み付けしたものです | |
皮膚の一部だけが放射線を受けた場合には、皮膚の表面積を考えると皮膚の等価線量が求められるのですね |
比較的大きな線量では、放射線生物学の研究では、分けて受けた方が影響を受けにくいことが知られています。 小さい線量ではどの程度影響が異なるかは、影響が小さすぎてよくわかっていませんが、生物応答を詳しく知るための研究が進められています。
この線源により受けた放射線量を事後的に確認できる方法はないと考えられます。
参考記事
検査を受けるかどうかは、検査のデメリットも吟味して判断すべきだと考えられます。
今やるべきことは何かを考えることになるのではないでしょうか…。
ここでの例はいかがでしょうか。
シナリオを作って確率論的に検討することができると思います(保護者の皆様との協働作業が必要)。
放射線のことを心配するのは当然のことだと思います。リスクに向き合うのは難しいことですが、あなたの疑問に私たちはお付き合いさせて頂きます。
リスクは比べることができます。比べたいリスクを思い浮かべられますか?
同じです。
原子力発電所事故では放射性ヨウ素の内部被ばくがもたらされますので、甲状腺の線量が増加しますが、この公園の線源からの放射線では甲状腺への線量が特異的に高くなることはありません。
保管の方法としては手が込みすぎていると思います。
正副議長からの豊島区に対する要望
池袋本町電車の見える公園において発見された放射性物質について
区立「池袋本町電車の見える公園」で放射性物質が発見された事例に関する説明会および個別相談会(4月28日発表)
区立「池袋本町電車の見える公園」での放射線量検出にかかる健康への影響について(4月30日の説明会での質疑を追加しました)(5月1日発表)
平成23年10月28日に区内1か所で測定された高放射線量について(その後の状況)
家庭系ごみから発見された放射性物質ラジウム226を輸送しました(2015年5月14日)
半径1mmの球
比重:2[g/cm3]
線源の中心は地表から深さ2 cm
Ra-226(37MBq)と子孫核種を考慮(永続平衡を仮定)
ガンマ線とエックス線のみ考慮(エネルギーはアイソトープ手帳11版に記載されているもののみを考慮)
それぞれの半径の球の内面で地上部分(グラフで示されているのは外径:30 cmとあるのは28 cmから30 cmの範囲の量を示す)
地表から高さ20cmまでに限った場合と限らない場合を計算
空気吸収線量率
International Catalogue of Radioactive Sources and Devices
説明資料
Identification of Radioactive Sources and Devices
NST011
山口 一郎, 尾本 由美子, 原田 美江子, 栗原 せい子, 欅田 尚樹.東京都豊島区の公園で線源が発見された事例への公衆衛生的な対応
【提案3】廃棄物処理法に基づき処理できる「廃棄物」の範囲の明確化
Social issue
キーワードの例
・決定しきい値(決定限界)
・不確実性のロンダリング装置(としての統計学?)
・ALPS treated water
・シングル・ボイス
・電子スピン共鳴法を用いた線量推計
・非医療目的での放射線を利用した人体のイメージング
・福島県産の食材の検査
・干し柿にすると…
・食品の出荷制限の解除
・線量拘束値 dose constraint
・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング
・体外計測 external counting
・ALPS treated water ALPS treated water
・規制免除 exemption
・自然放射線の対策は必要?
・メンタル・ヘルス活動と地域の文化
・ホット・パーティクル hot particle
・子孫核種 progeny nuclide
・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング
・余命損失 Loss of life expectancy
・県民健康調査 Fukushima Health Survey
・安定ヨウ素剤 stable iodine tablets
・サブマージョン submersion
・放射線リスクコミュニケーション 相談員支援センター Support center for social workers engaged in recovery from the nuclear disaster
・薪ストーブをめぐる近隣トラブル
・不当表示 misleading representation
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