小規模な説明会を開催してもらえます
- 地域の事情に詳しい、中立的なコーディネータをお願いするとよいのではないでしょうか
会津に比べて中通りでは、悪性ないし悪性疑いの割合があがっているのではないか?
- 結果で見られる悪性ないし悪性疑いの割合の偏りは偶然の変動でも観測されうる程度です
- もっとも、検定結果が有意ではないことは、影響が全くないことを保証するものではありません
- 本当は一定程度の影響があっても、それを見つけられていないのかもしれません
- (その場合の可能性)東側と西側では、甲状腺に受けた線量が異なり、甲状腺がんの発症の確率が異なっている
- (その場合の可能性)東側と西側では、放射線曝露以外の原因で、甲状腺がんの発症の確率が異なっている
- 会津の西側では二次検査の対象となる受診者の割合が東側に比べて小さい
- この違いは偶然の変動を超えています
- 考えられる原因
- 本当は違いがないが、偶然、このような結果が観測された
- 20回に1回はそのようなことが観測されうる
- (検定の多重性を考慮せずに)検定を繰り返すと、このような結果が得られやすくなる
- 放射線の影響
- 二次検査の対象とするかの判断が公衆衛生サービスの観点で考慮されている(必ずしも研究としての厳密性が確保されていない)
- 放射線以外の影響
- 調査は結論ありきで行ってはなりません
- 調査は科学的・倫理的に行う必要があります
- より小さいな違いを見落とさないようにするには調査デザインの質の向上が必要だと考えられます
あなたはどのような疑問をお持ちですか?
質問したい私たち
会津地域との比較
|
|
|
平成26年8月24日に開催された第16回福島県「県民健康調査」検討委員会では、以前から多くの方が注目していた、 「会津地方」の甲状腺がんの検査結果の報告がありました |
|
会津地方は、中通りや浜通りに比べ線量が低い地域なので、もし福島県の中で(線量の低い)会津地方だけ、甲状腺がんになる子どもが少なければ、(線量の高い)中通りと浜通りの甲状腺がんは、放射線由来ということが証明されるのではないかと考えられるからですね |
|
会津地方でも中通り・浜通りと同等の検査結果であり、「会津」と「中通り」「浜通り」に地域差は見られないというものですね |
2次検査を終え甲状腺がんないし甲状腺がんが疑われる子どもの割合
地域 |
甲状腺がん ないし甲状腺がんが 疑われる子どもの
| 甲状腺検査受診者数 |
二次検査受診割合 |
避難区域等13市町村 |
33.5 |
4万7780人中14名 |
88.2% |
中通り地方 |
36.4 |
19万9466人中61名 |
90.1% |
浜通り地方 |
35.3 |
7万534人中19名 |
85.5% |
会津地方 |
27.7 |
4万9927人中9名 |
78.2% |
「会津地方」については、まだ二次検査結果が揃っていないことから本分析はあくまで暫定
とされています
(この記事の「会津地域の中でも他の違いがあるのではないか?」で第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会で示されたデータで計算し直しています。その後、更新されたデータはこちら。)
甲状腺検査【本格検査(検査 2 回目)】結果概要<確定版>資料
表 11 に対する検査間隔による発見率の調整例
この地域差は放射線以外の要因によると考えられます。
変数間で多重共線性があると、変数の調整が功を奏さないことがあります。
細胞診実施数
x <- matrix(c(49454,207165,72871,51766,38,119,25,9), ncol=4, byrow=T)
fisher.test(x, workspace=1000000)
Fisher s Exact Test for Count Data
data: x
p-value = 7.716e-06
alternative hypothesis: two.sided
悪性ないし悪性疑い
y <- matrix(c(49454,207165,72871,51766,17,39,10,4), ncol=4, byrow=T)
fisher.test(y, workspace=1000000)
Fisher s Exact Test for Count Data
data: y
p-value = 0.01618
alternative hypothesis: two.sided
R
|
|
|
「悪性ないし悪性が疑われる」受診者の割合が、会津地方ではやや低いように見受けられますが、県立医大の説明では、二次検査終了者の割合が、中通りや浜通 りに比べて低いことが影響したためであり、原子力発電所事故の影響を示しているのではないと説明があったデータですね |
|
2次検査の結果がすべて揃えば、会津地方も中通り地方や浜通り地方と同等になる可能性があるというお話しだと思います |
|
第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議で津田先生が指摘なさっておられたように、有意でなくても増加が疑われるのであれば、「その準備が必要」という意見に説得力を感じます |
|
有意でなくても違いがありそうであれば、その原因が何かも合わせて考えていくとよいのでは… |
|
疑問点は何ですか? |
|
地域による違いは、地域間で線量が違うのでそれを比較しようとしていると思うけど、検査を受けたお子さんの年齢分布も判定割合に影響を与えそうなので、その影響を検討した結果も合わせて示して頂けるとよいのではないでしょうか |
|
細胞診等で悪性ないし悪性疑いであった方の線量の情報が示されていますので(第23回)、甲状腺検査の判定結果と線量の関係を調べてみてはどうかしら |
|
これも線量と年齢に関係がありそうなので調整して調べるとよいのではないかしら |
年齢調整
Armitage-Doll model
時期の違いを見ているのではないか?
|
|
|
地域によって検査の時期が異なっています。会津地方では、事故後3年目(平成25年度)に検査が行われています。原子力発電所事故の影響があった場合には、時間がたてばたつほど、がんになる人が増える可能性も考えられますから、事故後1年目(平成23年度)や2年目(平成24年度)の、中通りや浜通りの検査結果と、単純には比較できないと思います |
|
対照地域との比較では、時期の違いへの考慮も必要になりそうですね。会津地方でがんの罹患率を過大に評価しているとすると、放射線による影響を過小評価するのではないかという疑念ですね。他の疑問はいかがですか? |
会津地域の中でも甲状腺がんの発症割合に違いがあるのではないか?
問題を考えているページを例に考えてみましょう
地域によって悪性ないし悪性疑いとされる受診者の割合が異なるか?
|
|
|
この分類法に従うと、一次検査受診者数は、東側で22,319人で西側が10,240人で、悪性ないし悪性疑いとされる受診者は、東側で9人、西側で0人 となりそうです |
|
そのサイトでは、磐梯町を東側としてカウントしていそうですね |
|
磐梯町は、悪性ないし悪性疑いとされる受診者が0人となっていますので、仮説を検証する上では安全側の計算をされたのかもしれません |
|
地域により「悪性ないし悪性が疑われる」確率が異なるかどうかを検証する独立性の検定を行うと得られた観測データで帰無仮説が成り立ち得る確率は どうなりますか? |
科学的に証明するための指標とは?
|
|
|
何を話しているのか理解できない… |
|
会津地域の西側に比べて東側で「悪性ないし悪性が疑われる」が多いかどうかを確認しようとしています。帰無仮説は、会津地域の西側と東側では、受診者が 「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがないです |
|
『会津地域の西側と東側では、受診者が「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがない』という仮説の元で、この観測データが得られる確率は 0.094となりました。統計学的には、会津地域の東側と西側で悪性ないし悪性疑いとされる割合が同じという帰無仮説を積極的には否定できません |
|
統計学的には、偶然と考えてもよいとなるのかもしれないけど、このように偏りがあるように思われる結果が得られるのは確率としては10分の1(10回に1回)程度に過ぎず、偶然だと主張されても困るという結果だと思います |
|
東側と西側で差がないという帰無仮説は否定できなかっただけであって、その帰無仮説が正しいこと立証されたのではないはず… |
科学的に証明するためのロジックとは?
|
|
|
何を話しているのか理解できない… |
|
統計学では確率として10分の1(10回で1回)程度起きることは、めずらしいことではないと考えるみたいです |
|
確率として10分の1(10回で1回)程度起きることとは何ですか? |
|
会津地域の西側では1万人に0人なのに東側では2万人で10人であることは、本当は、西側と東側でがんの発症割合に差がないとしても、このような観測機会が10回あったら1回程度は起こるということです。それは珍しいことではないので、西側と東側でがんの発症割合に差があると主張するのは、この根拠だけでは苦しいというお話しですね |
|
本当は東側の方が発症割合が高いと考えた方が、この結果には矛盾しないと思う…。わざわざ二重否定の論理を使うことが理解できない… |
|
それはそれで深い話みたいですが、とりあえず仮説検定の考え方は疫学の試験の山なので学生さんはみんな覚えています |
|
偶然に差がついた可能性(=観測結果が、偶然変動に基づく違いで説明がつけられる確率)が5/100しかないのなら、偶然ではない可能性を前提に検討したほうがいいのではないでしょうか? |
|
それが仮説検定の考え方です |
|
10/100だと偶然おこったに違いないと考えるのは自然ですか? |
|
p値は5%が一般的だそうです |
|
教科書には有意水準はタイプ1エラーが生じる確率とありました… |
|
観測結果が、偶然変動に基づく違いで説明がつけられる確率が5/100よりも大きかったら、それは偶然だと考えようという話でもないですね |
|
リスクを見落とさないようにするにはタイプ2エラーを考えて欲しい… |
納得できない統計学的な仮説検定法の確率表現
|
|
|
1/10程度の確率で放射能との影響ではない可能性はあり得る事だとする表現ではなく、9/10の確率で放射能による影響だとする方が妥当であるといった 表現に訂正してもらえません? |
|
「1/10程度の確率で放射能との影響ではない可能性はあり得る」という話ではないですね |
|
このような結果が得られるのは、偶然としてもありえるということですね。検定の多重性を考えると、どこかで有意な結果になるのも不思議はなくて、 むしろ、検定の多重性を考慮せずに、たくさん検定しても、有意な差が検出されない場合は、その検定が怪しいとなりそう |
|
100回に5回しか偶然では起こらないことでも14回も繰り返すと、その事象が一回の観測されない確率は0.5を下回ることになります |
|
でも、p<0.05であった事実を重く受け止めるべきであり、偶然による違いではなく、放射能による影響だとする方が妥当ではないのでしょうか? |
|
その可能性はもちろん否定できませんが、それを積極的に証明するのが大変ということではないかしら |
|
ここでの仮説検定は、ある現象が何らかの要因の影響を受けているかもしれないときに、その要因を受けているか受けていないのどちらが、どの程度の確率で正しいと言えるかを調べるものではありません |
|
影響がどの程度であるかを知るには、量反応関係が示されるとよいのではないかしら。そこから原因確率分析してみてもよいかもしれない |
|
確率論としても福島医大の言っている事は結論ありきで、理由はこじつけであり、大きな確率の方を採用するのがリスク管理としては一般的では無いのでしょうか? |
|
科学的根拠がなければ、リスク管理は不要というのも乱暴なお話しで、知恵を絞って取り組む必要があると思う |
|
そのためには色々な材料から考えていくのがよいのではないしら。差があるとしても、それが何によるのかも気になるところです |
|
それが、 precautionary approachですね。リスク対策では、リスク認知の主観性に配慮することも重要でしょう。ここで、仮説検定の考え方を復習しておきます。要するにある仮説が正しいことを証明するのは難しいけれども、誤っているのを証明するのは簡単(少なくとも1つの反例を見つければよいので)という理屈です。帰無仮説が棄却できなかった場合(帰無仮説が間違っていると証明できなかった場合)は、帰無仮説が誤っているとは言えないだけであって、帰無仮説が間違っていないとまでは主張できません |
AMERICAN STATISTICAL ASSOCIATION
AMERICAN STATISTICAL ASSOCIATION RELEASES STATEMENT ON STATISTICAL SIGNIFICANCE AND P-VALUES
仮説検定におけるHARKing
Kerr NL. HARKing: Hypothesizing After the Results are Known. Personality and Social Psychology Review. 1998;2(3):196-217.
検定結果はどの程度安定性があるのか?
|
|
|
二重否定の論理を仮説検定で使うのは科学的な思考だからよいと思うけど、二次検査結果が出てくると、検定結果は変わりえるのですか? |
|
西側で悪性ないし悪性疑いとされる受診者が1人でると、『会津地域の西側と東側では、受診者が「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがない』という仮説の元で、この観測データが得られる確率は0.26となります |
|
それでも、このように偏りがあるように思われる結果が得られるのは3回に1回程度に留まっているのね。違いがないと主張することには無理があるよ うに思ってしまう…。 |
|
そもそも違いがないことをこの結果からは積極的には主張できないはずです |
|
でも違いがないと証明されたと受け止められがちです |
|
この研究デザインでは、どの程度の違いを見抜けるかの説明があるとよいのかも… |
|
その一方で、何倍に増えているという主張は、基準となる量をどのように計算しているかも気になるところです。リスクを見逃さないようにしようとい う姿勢は良いと思うけど、基準となる値を過小に見えるように恣意的に求めているとすると、それはフェアではないと思う |
|
結果の不確かさがどの程度かというのもprecautionary approachでは大切だと思う |
|
話しについて行けないままだけど、お互いに真摯に吟味し合って欲しい… |
本当はある違いを見逃していないか?
|
|
|
1万人に0人と2万人で10人程度だと10回に1回だったのが、1万人に1人と2万人で10人程度だと3回に1回は観測されるので、差がないという仮説がより否定しにくいという理屈ですね。でも、やっぱり違いがあると考えるのが自然な気がする… |
|
本当は違いがあるけど、この調査デザインでは、真にある差を見出す力が足りなくて、その違いがランダムさなどのノイズの中に埋もれてしまっているのではな いかという懸念ですね |
|
何を話しているのか理解できない… |
|
同等かどうか調べるのであれば、本当はある見逃してはならない程度の違いを、誤って見逃してしまうのを防ぐ必要があると言うことですね |
|
うっかりしないで、しっかりと違いを見極められるように注意すべきと言うことですね |
|
まさにそのとおりで、専門用語ではタイプ2エラーとされています。結果に影響を与えるような変動要因を制御したり、偶然変動を小さくするためにサンプルサイズを十分に確保しないと、その誤りを小さくできません |
統計学的なものの考え方と社会問題
|
|
|
統計学の考え方に馴染むことが社会での問題を考えていく上で重要な気がする… |
|
生きていく上では、誰もが統計学的な考え方で物事を判断しているのではないでしょうか |
|
理屈は単純なので、じっくり考えたい方は、コンピュータで実験しながら調べていけばよいと思う |
|
本当は地域によって病気のなりやすさに違いがある場合に、どうすればそれが証明できるか知りたいだけですけど… |
|
エコロジカルな研究に限界があるのはわかるけど、情報をより活用するという観点からは、 空間疫学の方の貢献も期待したいです… |
|
プルームの濃度だけではなく、当時の避難の状況も考慮した解析結果を示していただかないと、しっくりこない… |
真実を得るには何らかの犠牲も必要になるので、研究の遂行には倫理面での検討が不可欠
災害発生前での疫学研究の研究倫理審査
|
|
|
本当にある差を見逃さずに見つけたいのであれば、調査の質を向上させたり、より多くの方の協力を得ることが必要になりそうです |
|
真実を明らかにするために不利益を覚悟で調査に協力して下さる方は多いのではないでしょうか。そもそも不利益は工夫すればほとんど無視できる程度 にできるように思う |
|
親と子どもの利害が一致するのかどうか、子どものことを考えると頭が混乱してくる… |
会津地域の中でも他の違いがあるのではないか?
|
|
|
東側と西側で他に何か違うことはないのかも気になります。二次検査にまわる割合には違いがないですか? |
|
二次検査の対象になった受診者は、東側で239人、西側で82人となりそうです。計算するとp値(=帰無仮説が正しいという前提の元での観測データが得ら れる確率)は0.026となりました |
|
統計学的にも偶然とは考えがたい違いですね。100分の3の確率(百回に3回)でしかおこらないことが偶然に観測されたと考えるのは相当無理があ ると思うし、この結果は、二次検査結果が出そろうかどうかと関係がない… |
|
ランダムなデータセットでも百回に3回はおこることですが、何か違いをもたらすものがないかの検討があるとよさそうです |
|
二次検査の対象にするかどうかの判断に何が影響を与えているかを考えると言うことですね |
|
先行調査のデータが出そろったと思いますが、それでも検定結果に違いはないでしょうか |
|
第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会で使われた資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要を用いて、会津の東と西では二次検査で陽性になる割合に差がないかを計算してみてはどうでしょうか |
|
東を会津美里町、会津坂下町、湯川村、会津若松市、猪苗代町、下郷町、西をそれ以外とすると、一次検診受診者数は、東:22,503、 西:10,318で二次検診対象者数は、東:241、西:82となりますね |
|
計算するとχ-squared = 5.2601で df = 1なのでp-value = 0.02182となりました |
|
悪性ないし悪性疑いでは、どうでしょうか? |
|
東:11、西:1なので、p-value = 0.1194で、95 percent confidence intervalは、 0.73 - 220でodds ratioは 5になりました |
|
やみくもに検定するのではなく、 センスよく考えられるとよいと思う… |
|
検体の多重性を考慮せずに検定を多数繰り返しても全く有意差が検出されないとすると、それはそれで何かがおかしいと思う |
|
検定の多重性は、「何度も検定を繰り返すと偶然で発生する確率が高くなる」と表現されることもあるそうですが、「確率が高くなる」ところにポイントで、どの確率が高くなるかの吟味が必要なところだと思う |
|
多地域がある場合に2つの地域比較を想定している場合には、とりあえず、本来はどの組み合わせでも差異がない場合に、一つの検定結果でも誤って差異が検出されることのない確率が小さくなると言えると思います |
|
他に疑問はないですか? |
細胞診受診割合の違いの影響は?
|
|
|
細胞診を同じ率で実施していればもっと見つかっていたとするなら、会津地方の発症率は平均年齢差0.5歳で23年地域の2.7倍、中通りの1.5 倍で、増えていることになりますが、そのことへの説明がないのは良くないと思います |
|
|
|
会津では「悪性ないし悪性疑い者率」が10万人対27.7人であることと比較しているのですか? |
|
|
細胞診受診率が低いこと
|
|
|
細胞診受診率が低いことB判定のうち細胞診実施率が低下しているならば、表9によれば会津地方は、以下のことが観測されます。 |
- BC判定率は上昇
- 細胞診実施率は低下
- 細胞診実施数中の悪性率は上昇
|
|
|
その原因として何が考えられますか? |
|
可能性としては、以下のことが考えられると思います |
- 二次検査で多めに拾い上げたので細胞診率が低下
- 二次検査対象となるが細胞診対象とはならない結節が増えたために細胞診率が低下
- 二次検査対象となる結節が増えたが細胞診対象を絞ったために細胞診率が低下
|
|
|
その原因として何が考えられますか? |
|
検査基準を変えていないなら(2)です。 |
|
実際の検査基準は変わっていないと考えられそうですか?仮説の(2)が正しいかどうかは(他の仮説が誤っているかどうか)、どのように検証すると良いですか?その他の可能性は考えられませんか? |
|
放射線の影響を評価しようとするのであれば、細胞診が必要と判定される割合をエンドポイントにすることに無理があるのかもしれない… |
|
この検査が単なる調査ではなく、公衆衛生サービスとして提供されていることから、判定はその時々で最適化すべきだと思うけど、その判定の変化をAIを使った分析で明らかにできるのではないかとのアイデアを科学コミュニケータの方からお示し頂きました |
細胞診の必要性の判定基準
超音波検査を踏まえての細胞診実施基準を定めている。但し、強い検査要望があって実施せざるを得なかった事例が、特に震災直後の初年度は非常に多かった印象がある。(医大)
第9回 甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会 概要記録
細胞診の施行率について、年度毎に低くなってきているが、これは一定の診断基準のもと、過剰診断にならないように常に診断の質の向上を図った結果と考えられる。
そもそも福島県で、この甲状腺の検診をやられているのは、チョルノービリでとにかく目立って増えた甲状腺のがんとしては、小児の甲状腺がんであると。そういうことは一般の住民もあらかたの方が知っておられるという状況で、福島で甲状腺がんが増えるのではないかという懸念を持っておられるのに対して、本当に増えるのかどうかについて、やはり科学的に評価せざるを得ないということそういうことからいきますと、先ほど言いましたように、一定の基準で検査をして、一定の基準で、例えば具体的には超音波ですね。一定の基準で超音波を読んで、一定の基準で細胞診をするかしないかを決めて、それを一定の基準で判断すると。そういうことをやるべきだということで、福島県では、実際、そうやっておられます。例えば具体的には、関西のほうに転居してこられている住民さん達は隈病院でも検査しているのですけど、福島県からの依頼で検診もしているんです。当院で超音波の検査を行っても、そのデータは当院では判断しなくて、福島県に送って、福島県のドクターが一定の基準で判断するということ。それで、必要があれば、細胞診も、福島県のほうからの指示に従って細胞診をして、それはまた福島県にお送りするというふうなことで、考えられる範囲では、一定の基準でやるように努力をしておると私は理解しております。
会津地域でも甲状腺がんが多発しているのではないか?
|
|
|
何故、線量の低い会津地方でも、3,600人に1人もの子どもたちが、甲状腺がんに罹患してしまったのでしょうか? 国立がん研究センターのホームページ (小児がん情報サービス)によれば、わが国では年間2,000~2,500人の子どもが小児がん(全てのがんを合わせた数)と診断されており、その確率は、子ども10,000人に約1人の割合だそうです。がんの種類は、(1)白血病33%、(2)脳腫瘍22%、(3) 悪性リンパ腫9%、(4)神経芽腫6.6%、(5)腎腫瘍3.5%などが主なものであり、胃がんや肺がんなどは、子どもにはみられないそうです。そこには甲状腺がんの名前はありませんでした |
|
小児では、甲状腺がんは稀とされていたのにも関わらず福島県での調査では有病割合が大きいのではないかという疑問ですね |
|
甲状腺がんは、予後が比較的よいとされ、今回の医大の発表によれば、現在福島県の子どもたちの中で甲状腺ガンの手術をおこなっているのは、(1)リンパ節転移、(2)遠隔転移、(3)甲状腺被膜浸潤、(4)術前腫瘍径10ミリ以上など、いずれかの所見がある患者に限っているそうです。これまで多くの子どもが手術を受けておられ、本当に考えただけで胸が痛くなる悲しい事態です。果たして、こうした深刻な小児ガンというものが、こんな高確率でおこるものなのでしょうか? |
|
そもそも、小児ガンは10,000人に約1人とあるのに、何故線量の低い会津地方でも、甲状腺がんが3600人に1人もの高確率で発生しているのかが疑問ということですね |
|
もし、この事態が放射能の影響が考えられず、単なるスクリーング効果なのであれば、多くの子どもたちが、甲状腺ガンにかかっている原因を、別に緊急調査しなければいけないと思うのですが、何故そういう議論がおこらないのでしょう? |
|
これまでのがん死亡統計に何かの間違いがあり、本当は早期治療が可能な甲状腺がんを持っている小児が多くいるという懸念ですね。そのお話しは、下の方の「小児を対象にした甲状腺スクリーニング」で扱います |
比べるときに吟味すべきこととは
|
|
|
会津の東側でも甲状腺がんが多発しているのではないですか? |
|
線量の低い会津地方でも、甲状腺がんが増加しているとすると、(1)会津地方は元々甲状腺がん多発地域であった、(2)会津地方での線量評価に系統的な誤りがあり本当は放射線の曝露量がもっと多かった、(3)会津地方の子どもの放射線感受性が高く少ない線量であっても甲状腺がんが多発している、(4)スクリーニング効果であり見かけ以上増加しているに過ぎない、(5)その他、が考えられるのではないでしょうか |
|
スクリーニング効果とは何ですか? |
|
無症状者に詳しい検査を行うことにより、罹患率などが見かけ上増加することを言います。検査の質が向上すると、見逃していたがんが発見されるので、がんの患者が増えることになります |
|
その他では何が考えられますか? |
|
会津では、相対的に年齢層の高い子供の検査受診割合が低いようです。このため、(放射線由来ではない)甲状腺がんの発症率が年齢とともに上がるとされていることが、この結果に何らかの影響を与えるのではないかなどが考えられるのではないでしょうか |
|
検査の内容によって、がんの患者の数が変わるなんて不思議です… |
|
他に疑問はないですか? |
市と町と村の違い
|
|
|
意味があるかはわかりませんが、「村」の発症率が高めのような気がしますので、市、町、村、にグループ分けして発症率を単純比較してみました。結果はなぜか、どの年度も「村」に住んでいる人たちの発症率のほうが「町」より高くなっています |
|
|
|
どのようなことが考えられそうですか? |
|
位置的・地形的な要因か、村のほうが市街地より自家野菜や沢水・湧き水の摂取割合が高いなど、何らかの要因があるかもしれません |
3月11日~15日のモニタリング結果例
東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺の緊急時モニタリング調査結果について(3月11日~15日実施分)
福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺の緊急時モニタリング調査結果について(3 月11 日~15 日実施分)の一部訂正について
|
|
|
このグラフは、福島県内自治体別に悪性ないし悪性疑いと判定された方の割合を示しています。横軸は、各自治体の一次検査受診者数です。データは、第16回福島県民健康調査の検討委員会で示されたものを示しています。赤は平成23年度、緑は平成24年度、青は平成25年度を示します。偶然変動の人口サイズ依存性は詳しくはこちらをご覧下さい |
|
この仮説を検証するには、それぞれの方の放射線曝露量の推計を元にした解析が有効そう… |
|
初期の放射線の線量をはっきりさせて欲しい… |
|
今さら、昔のことを思い出したくないという方もおられる一方で、流通していない原乳を初期に摂取された方もおられるという話もあるようです |
|
飲料水の環境も福島では日本とは思えないほど多様性がある… |
先行調査と本格調査の説明
|
|
|
先行調査と本格調査の違いもよく理解できません。混乱を感じてしまいます |
|
難しく思うのはどのようなことですか? |
|
先行調査がベースラインを把握するためだとすると、全数調査が本当に必要なのか不思議に思います |
|
ベースライン把握であれば、サンプリング調査でもよいのではないかという疑問ですね |
|
学校での疫学の授業では、研究デザインでは、例数設定の検討が必要と習いました |
|
県民健康調査は、疫学調査であるという説明がなされていないので、がんが増えたかどうかを判定するのが調査の目的であると受け止められていないと考えられるのかもしれません |
|
県民健康調査は、県民の健康を見守ることを目的とされていることから、がんをできるだけ早く発見して、がん死亡を減らそうとしているように受け止められているように思います。この考え方だとすると、全数調査は納得できますが、先行調査と本格調査の違いが何なのかよくわからなくなるということだと思います |
|
県民健康調査のそもそものあり方を問う、星座長による県民健康調査検討委員会中間まとめ(甲状腺検査に関する論点整理)(座長素案)とも共通する問題意識ですね |
|
先行調査でベースラインを把握するという考え方は、チョルノービリ事故の経験を踏まえていると思いますが、チョルノービリ事故時に事故早期の甲状腺がんの発症をきちんと把握できていたのかどうか疑問を持たれていることも疑念の1つだと思います |
|
私たちの素朴な疑問に付き合って欲しい… |
検出力の計算例
POWER CALCULATIONS FOR EPIDEMIOLOGICAL STUDIES THAT UNDERPIN THE COMMENTARY ON
HEALTH IMPLICATIONS IN THE 2013 FUKUSHIMA REPORT
原子力災害後の甲状腺検査での診断バイアスの制御
Thyroid neoplasia risk is increased nearly 30 years after the Chernobyl accident
診断バイアスの制御の方法
Reply to letter: Thyroid neoplasia after Chernobyl: A comment
線量など甲状腺疾患の診断に影響を与えそうな要因の情報は共有せずに甲状腺検査がなされています。
その他いただいたご意見
放射性ヨウ素の放出量
|
|
|
日本では、3基もの原子炉が炉心溶融したので、3基分の核燃料に含まれていた放射性ヨウ素を含む気体性の放射性物質の殆どすべてが大気中に放出された格好になったのではないかと思います |
|
放出量推計データでも貴(希)ガスの放出量はチョルノービリ事故よりも大きいわね。放射性ヨウ素の放出割合の疑問があるのであれば、専門家に手伝ってもらって疑問点を整理してもらうとよいのではないかしら。その上で、甲状腺が受けた線量がどうかを吟味していくのはどうかしら |
|
現時点での小児甲状腺癌の発生状況から考えた場合、チョルノービリ原子力発電所事故を上回る規模の甲状腺癌が見つかって来るという可能性も十分有り得る様な気も致します |
|
どの程度の可能性があるかを吟味していくのはどうかしら |
|
また、これらの初期のプルームに覆われた形になった、福島県内のみならず、他の東北や関東の地域の広いエリア内に於いても、同様の事態が起こってしまっている可能性が十分考えられる様に思います。 |
|
調査の問題点も理解した上で、ご協力いただける方を確保して調べてみるかどうかが課題ですね…。他に検証できそうな方法はありそうかしら… |
小児を対象にした甲状腺スクリーニング
|
|
|
既に福島県内で57名の小児甲状腺癌が確認され、内54名に対してその摘出手術が為されていますが、その中にはリンパ節転移のみならず、肺転移を起こしている例までも見つかっている様です |
|
2014年8月28日に日本癌治療学会で発表されたデータですね |
|
もし、国や福島県が言うスクリーニング効果によって、直ぐに手術が必要な状態の小児甲状腺癌が福島県内だけで54名も見つかっているというのなら、日本国中の子供を検査すれば数千名もの子供に、直ちに手術が必要な小児甲状腺癌(しかもリンパ節転移や肺転移を伴った)が見つからねばならない、という事になるでしょう |
|
そうなりそうですね |
|
日本政府の言い分が正しいというのであれば、直ちに日本中の子供の甲状腺がんの検診をやらねばならなくなる筈ですが、そんな話は一向に出て来ません。 |
|
検診を行うかどうかは有効性の検証が求められるところだと思いますが(乳がん検診の議論例、仮想内視鏡による大腸がん検診の例)、検診すべきかどうかの議論は皆さんの間ではどうなっていますか? |
|
過剰診断のお話しは、みんなまやかしだと思っています。何か不都合な真実を隠すための陰謀ではないかしら…。成人病検診を含め、検査をする事が医療現場や予防医学の基本です。成人病検診で”がんの疑い”があるから再検査(二次検査)しますと言われて検査結果が出るまでの2~3週間ぐらいの間は誰もが不安になります。しかし、この不安だからと言って成人病検診を止めさすでしょうか?これがまかり通るようだと医療の基本が崩れませんか? |
|
不安をもたらすので、受診者にも利益をもたらしうるものをやめようという議論とは違うように思う |
|
医療現場がやるべき事は検査を止めるのではなく、検査した結果に対し、個人個人に対し”心配は不要”だとする医学な正確な知識を説明してあげる事です。私の父も15年ぐらい前に胃の検診で、精密検査が必要だと言われ、非常に不安になりましたが、看護師からの言葉で救われました。そのようなケアをまったくやっていない事が問題だと思います。結果を文書で通知するだけで、その結果の判断を患者や患者の家族に任せるようなやり方では不安はつのるばかりです |
|
”心配は不要”と説明するのは無理があるように思うけど、不安な気持ちをサポートすることも求められ、そのためには皆の力が必要そう… |
|
その上で、検診を行うべきかどうかを様々な角度から吟味している例です |
より細かい議論
偶然変動の人口サイズ依存性
|
|
|
「偶然変動の人口サイズ依存性」とのことですが、このくらいの発症割合の場合、人口何人くらいから偶然変動によるのではない、とみなされるのでしょうか? |
|
発症割合の偶然変動が検査を受けた人数にどの程度影響を受けるかを考えるとよさそう |
|
統計学的に考えるのであれば放射線計測と同じように考えてみるのは、いかがでしょうか? |
|
ある期間の観測数のばらつきはどの表現できるかを考えればよいのかしら |
|
放射線計測と同じとは? |
|
放射線計測は測定時間内にたくさんあるうちの一部の放射性核種が壊変して、検出器に向かって放射線を飛ばして、エネルギーを検出器に与えているのを数えているから、あたりの確率が小さいくじをたくさん引いていることで模擬できると考えると、多くの方に検査をしてがんを持っている方を調べるのと同じ 構造にあるということですね |
|
なるほど検査でがんが見つかる人の人数が、ポアソン分布に従うということね。だとするとその分布の標準偏差は平均の平方根になるはずね |
|
がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を3千人程度(浪江町や三春町のようなサイズ)とすると、予測される発見数は1人で標準偏差は1人 となります |
|
2標準偏差分の変動があると発見数は3人ですね |
|
なので3人以上の発見数となる確率は2.5%と考えられます |
|
このような自治体が10個あったとすると、3人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は、1-((1-0.025)^10)で2割程度になりそうで すね |
|
発見される数が倍となる2人以上だと、同様に計算すると、1-((1-0.15)^10)で8割程度になります |
|
偶然変動の影響が結構大きそうですね |
|
この確率が人口の大きさでどう変わるか計算してみよう |
|
がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を9千人程度(南相馬市、伊達市、白河市や須賀川市のようなサイズ)とすると、予測される発見数は 3人で標準偏差は1.7人になります |
|
その3倍の 9人以上の発見数となる確率は0.3%だと考えられます |
|
このような自治体が10個あったとすると、3人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は、1-((1-0.003)^10)で0.3%程度になりそ うですね。これだけのサンプルサイズだと安定しそう |
|
発見される数が倍となる6人以上だと、同様に計算すると、1-((1-0.04)^10)で3割程度になります |
|
がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を5万人程度(福島市、郡山市やいわき市のようなサイズ)とすると、予測される発見数は17人で、このような自治体が10個あったとすると、倍の34人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は0.02%となります |
|
ここまでくるとかなり安定しそう |
|
それにしても、会津の東側に比べて西側での発見割合が小さく見えるのが謎だ…。市町村の規模のばらつきをなくすために、隣接する市町村を1万人前後にグループ分けして計算した例では、中通り中部と中通り25年度対象地域で5倍の差があるのも不思議です。5倍の差がつくことはあまりなさそうですが... |
|
観測確率は1.5%程度なので偶然とは言いがたいですが、「隣接する市町村を1万人前後にグループ分け」しているのが、最初の分析デザイン通りだったかどうかも吟味が必要かもしれません。曝露量と発症確率が関係するかどうかで分析できるとよいと思いますが… |
検算例
津田敏秀先生の「有病オッズ比」問題
|
|
|
本当はあるかもしれないリスクを見逃す間違いを避けたい気持ちを理解しているのか疑問を感じてしまう… |
|
その気持ちと、本当はそのレベルに到達していないリスクを間違って何らかの対応が必要なリスクと判定してしまうことを避けたい気持ちは、どちらが正しいというものではないと思う |
|
得られる情報を最大限活用して、皆で検証し合うしかないのでは… |
統計の勉強用資料例
講義4 統計(1) 『サンプルサイズの決め方の基本原則がわかる』など(pdf file: 2.1MB)
結果の伝え方への不信例
線量推計結果への懸念例
先行調査地域での外部被曝線量の地域別・線量別集計
平成23年3月11日から7月11日ま での県民の「行動記録」に基づく推計
地 域 | 評価 対象者 | 1mSv未満 | 割 合 |
---|
川俣町(山木屋) | 553人 | 145人 | 26% |
飯舘村 | 1,944人 | 243人 | 13% |
浪江町 | 7,250人 | 5248人 | 72% |
集計結果は人口サイズが大きい地域の影響を受ける
|
|
|
人口サイズが大きい自治体の影響を受けているのですね… |
本格調査との比較
偽陽性と偽陰性
|
|
|
偽陽性や偽陰性は検査を行った検査者の技術の未熟さを示すものなのでしょうか? |
|
検査を行う上で避けられないものだと考えられます |
検査の篩い分け基準設定のトレードオフ
|
|
|
素朴に考えると、感度を高くして、疾患のある方はすべて検出しようとすると、偽陽性の可能性も高まるはず |
|
新たに心配の負担をかけないという観点からは、偽陽性は避けるべきだと思う |
|
偽陰性であっても、取り返しが付かないほど進行するリスクが低いのであれば、たとえ偽陰性が多めに出ても、偽陽性を避けるほうが、運用としては理 にかなっていると、(他人の気持ちが今ひとつ理解できないように見えてしまう冷たい(が本当は熱い気持ちを持っている))功利主義者から言われそ うですが、それには納得できない思いもあります… |
|
限界を認めて最善策を考える以前の関係作りが課題なのかもしれない… |
議論例
第17回福島県「県民健康調査」検討委員会議事録
あの、検査の見逃しというのと、(スクリーニング)検査による偽陰性というのは違うので、そこだけは誤解しないほうがいいと思います。
|
|
|
国立がんセンターの偽陰性(false negative:FN)の説明では、がん があるにもかかわらず、検査で「陰性」と判定されるもの。下記の表のbに該当する。見逃し例(interval case)ともいう。 とあるので、この説明から考えると何を述べているのか理解できない… |
|
スクリニーング検査では避けられない偽陰性と手順の逸脱による「見逃し」を峻別してデータを解釈すべきという指摘ですね |
|
偽陽性や偽陰性は検査技師や医師に全く落ち度がなくても生じるものです |
偽陰性や偽陽性を伝えることの課題の議論例
第9回がん検診に関する検討会議事録
偽陰性率、偽陽性率のデータというのがここにお示ししたものとしてあるんですけれども、それの意味するところというのをきちんと正確に伝えるというところが今のところ不十分なところがあるということだと思います。
|
|
|
スクリニーング検査では超えられない限界があるのは、皆さん理解なさっておられるのでは… |
|
甲状腺検査に関する中間取りまとめでは、県民の同意を得て実施していくという方針の下で、利益のみならず不利益も発生しうること、甲状腺がん(乳頭がん)は、発見時点での病態が必ずしも生命に影響を与えるものではない(生命予後の良い)がんであることを県民にわかりやすく説明したうえで、被ばくによる甲状腺がん増加の有無を検証可能な調査の枠組みの中、現行の検査を継続していくべきと考える。 としています。 |
|
ありのまま事実と向き合って困難な課題の解決を目指すという姿勢ですね。皆様はどう思われますか? |
偽陰性の評価法の課題の議論例
内視鏡検査の精度管理への利用
参考資料等
県民健康調査
県民健康調査甲状腺検査サポート事業について
県民健康調査について - キビタンの解説、Q&A -
公正な県民健康調査を実現する会
国立国会図書館
高野 哲.福島原発事故に関連した福島県県民健康調査
調査報告
小林信一.科学技術・イノベーション政策のために(第2回)学界と立法府(その2)新たな回路のために, 科学, 87巻, 12号, pp. 1142-1149, 201712
計画へのレビュー
Suminori Akiba. Epidemiological studies of Fukushima residents exposed to ionising radiation from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant prefecture—a preliminary review of current plans
結果の解析
Comprehensive survey results of childhood thyroid ultrasound examinations in Fukushima in the first four years after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident
PREVALENCE OF THYROID NODULAR LESIONS IN CHILDREN AND ADOLESCENTS
Comparison of childhood thyroid cancer prevalence among 3 areas based on external radiation dose after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident
解析へのコメント
Letter to the Editor:Comparison of childhood thyroid cancer prevalence among 3 areas based on external radiation dose after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident: The Fukushima health management survey
論文でも言及されている地域の分類で行動調査等に基づく外部被ばく線量を用いたことの議論があります。
地域による違いへの言及例
甲状腺検査の結果の解釈を巡る議論 Discussions on the interpretation of thyroid survey from epidemiological views
福島県「県民健康調査」検討委員会
第23回 資料2-2 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【平成27年度追補版】
- 一次検査受診者 300,476 人を地域別に分析した結果、B・C 判定率は「避難区域等 13 市町村」、「中通り」、「浜通り」、「会津地方」の順で増加傾向が見られた。
- 一方、「悪性ないし悪性疑い」者率は「避難区域等 13 市町村」、「中通り」、「浜通り」及び「会津地方」でほぼ同様であった。
環境省
「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議の中間取りまとめを踏まえた環境省における当面の施策の方 向性(案)」に関する意見募集(パブリックコメント)について
県民健康調査について
放射線医学県民健康管理センター
外部被ばく線量の「代表性」に関する調査のための戸別訪問実施について(2015年6月17日)
甲状腺検査での先行検査と本格検査の説明資料
NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」について
首相官邸災害対策ページ
福島県「県民健康調査」報告 ~その3~
このサイト内
トレードオフ
甲状腺検査の解析の試み例
Thyroid Cancer under 19 in Fukushima: the Second Report
超音波検査結果の解析例
Peter Jacob. Ultrasonography survey and thyroid cancer in the Fukushima Prefecture
介入例の解析例
鈴木 眞一.検診発見での甲状腺癌の取り扱い 手術の適応
組織診断の解析例
Histopathological analysis of papillary thyroid carcinoma detected during ultrasound screening examinations in Fukushima
追跡できていない群
Yamamoto K, Takita M, Kami M, Tani Y, Yamamoto C, Zhao T, Ohira T, Maeda M, Yasumura S, Sakai A, Hosoya M, Okazaki K, Yabe H, Tsubokura M, Shimabukuro M, Ohto H, Kamiya K. Loss of participation among evacuees aged 20-37 years in the disaster cohort study after the Great East Japan Earthquake. Sci Rep. 2022 Nov 15;12(1):19600. doi: 10.1038/s41598-022-23896-1. PMID: 36380078; PMCID: PMC9665037.
英文表記(甲状腺評価部会の例)
Thyroid Ultrasound Examination Evaluation Subcommittee, which was established under the Prefectural Oversight Committee Meeting for Fukushima Health Management Survey