解答結果
あなたの解答
物品のスクリーニング
次の文書は正しいですか?
『物品のスクリーニングでは、一箇所で放射線の計数率を測るだけでは、それを扱うことのリスクは推計困難なことがある。』
解説文
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場所の線量や個人の線量だけじゃなくて、計数率(cpm: count per minute=一分間あたりの数)の測定も大切な気がする… |
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どうしてですか? |
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線量として小さくても、放射性物質がそこにあることを知るのが大切な気がする… |
汚染を持ち帰りたくない思い
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「放射性物質がそこにあることを知る」のが大切だと思うのはどうしてですか? |
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一時帰宅から戻った先に放射性物質を持ち込みたくないという思いがあります…。近所でお世話になっている方に心配をかけたくありません。 |
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その心配りがあれば十分では… |
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スクリーニングに従事している方の安全確保も気になります… |
どの程度汚染するのか?
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データも確認したいです。雨天の方が車への放射性セシウムの付着が少ないと噂になっています |
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警戒区域内の車両走行に伴う放射性物質による影響調査についてが出典ではないでしょうか |
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高圧の水をかけてもきれいにならないだけではなく、スクリーニング場で働いている方の放射線安全が確保されているのか?という疑問があります |
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測ってみるとよいのではないでしょうか |
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この測定はシーベルトではなくcpmであるべきだと思う |
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放射性物質の量を知りたいからですね |
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cpmの数が多いと付着している放射性物質が多いと思う |
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面積はどうですか?同じcpmでも、広い範囲で計測されるのか、一部だけで計測されるのかで量が違うと思いませんか? |
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それは当たり前で面積も重要だと思う |
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cpmとリスクの関係はイメージをつかめていますか? |
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数が多いと駄目な気がする |
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どれくらい数が多いと駄目ですか? |
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よくわからない… |
シーピーエムからベクレルへ
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では、10万cpmの場合を考えてみましょう。どの程度のベクレルになりそうですか? |
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cpmは一分間に何個放射線が飛んでいるかだと聞いた気がする… |
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そうですね。例えば、60 cpmだと1分間に60個の放射線を数えているので、1秒あたり1個の放射線を数えていることになります |
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ベクレルは一秒間に一回と聞いた気がする |
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そうですね。ベクレルは一秒間に一回の放射性壊変(例えば放射性セシウムはバリウムに変化します)があることを示しています。放射性壊変時に放射線が飛んできます。一壊変で何個放射線が飛んでくるかは、核種によっても違うのもややこしいところです |
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放射線の話はややこしいことばかりです… |
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話を戻すと、10万cpmは約1.7 kcps(キロ count per second)になります。放射線は四方八方に飛びますので、そのうち半分を計測していると仮定し、一壊変で放射線が1個でると仮定すると、毎秒3千4百回程度の壊変があることになります。 |
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半分の放射線を数えると仮定すると、10万cpmだと3千4百ベクレル程度ということですね。この測定器で測っている範囲はどの程度ですか? |
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口径5cmφのGMサーベイ・メータが想定されています |
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口径5cmφだと面積は20cm2ですね。だとすると170 Bq/cm2と言うことね |
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表面汚染密度から計数率の換算は、核種、汚染面積、検出器のサイズなどに依存しますが、このような計算により、口径5cmφの標準的なGMサーベイ・メータでは、I-131の場合は、40 Bq/cm2が概ね13kcpmに相当するとされています。 |
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なるほど、こうやってベクレルを出すのですね。ここからシーベルトを出せますか? |
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食べてしまった仮定で計算することができます。例えば、10万cpmの場合に、100cm2の範囲のCs-137による表面汚染を誤って経口摂取した場合の線量は、3歳児を仮定すると実効線量換算係数が2.1×10-08[Sv/Bq]であることから、170Bq/cm2×100cm2×2.1×10-08≒0.4[mSv]となります。 |
スクリーニング基準は適切?
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帰還困難区域内から持ち出せるものは、スクリーニングを受けて基準値(13,000CPM)を下回るものとなります。※安全性が確認できておりませんので、食べ物、飲み物、薬品、化粧品など、体に直接入るものや触れるものは、持ち出しをお控えください。※屋外にあったもの、動物(ご自身で飼われていた犬・猫以外)は、持ち出しをお控えください。※外気にさらされたものは、線量が高くなる可能性があります。持ち出しをお控えください。 とありますが、13,000cpmが基準だと放射性セシウムをそれなりに含む土がどんどん持ち出されてもよいというメッセージに思えてしまう… |
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リスク管理として何を目的にしているかよくわからないということですね |
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定量的に考えないと、初期のスクリーニングと同じような混乱をもたらすものとなりそう… |
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スクリーニング基準を下げた方がよいのではないでしょうか |
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経口摂取するものであっても密封されていて、中に含まれる放射性物質の量が少ないことが確認でき、容器の除染が容易な場合には持ち出してもよいのではないかという意見がありました |
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複雑な気持ちになります。食べ物だと気持ちの問題がより大きいのかもしれない… |
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トレードオフに帰着するとも思えますので、この記事も参考にして考えて頂けるとよいのではないでしょうか… |
気持ちの整理をどうするかという難問…
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車のスクリーニング結果から線量が推計できると言うことですね。車の汚染のcpmはここまで大きくなくて、それを全部口にするということもないので線量はこれよりも小さくなると思うけど、何となく気持ちが悪くて、受け入れられないという思いがある… |
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様々に交錯する思いですね |
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一時帰宅の途中では結構、線量率が高い地域を通りますので、その時には車の窓をしっかり閉めて空調も止めてあまり息をしないようにしています |
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毎時30マイクロシーベルトの区間が1kmだとして、時速30kmでの走行だと、その区間通過で受ける線量は、1マイクロシーベルトになります |
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どの程度吸い込むかは、既に調べられていますが、納得できなければ自分たちで測ってみるのもよいのではないでしょうか |
自己責任として真の責任の追求を放棄しているのではないかとの思い…
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功利主義の話に持っていくのであれば、前提として公平性を担保して欲しい |
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