用語 せ/D

線量再構築
dose reconstruction

利用可能な情報で線量を事後的に推計すること。

参考資料等

詳細な状況聞き取り例

戸別インタビュー:飯舘村 20 の行政区の人数のバラツキを考慮しながら、ランダムに約 200 戸を抽出して、昨年 3 月 15、16 日頃に何をしていたか(食事はどうしていたか)、計画的避難区域に指定された後いつ避難したかといった戸別インタビューを行う。

当時の多様な状況の一端を明らかにした例

平川 幸子、村上 佳菜、義澤 宣明 [他] .原子力事故直後における食品等の供給実態と課題について
この論文は、UNSCEAR.Developments since the 2013 UNSCEAR Report on the Levels and Effects of Radiation Exposure due to the Nuclear Accident Following the Great East-Japan Earthquake and Tsunamiに引用されています。

原子力規制委員会による事業

平成27年度原子力施設等防災対策等委託費(原子力災害時における放射性ヨウ素による内部被ばく線量評価方法に関する調査)事業

環境省による事業

放医研(H24年度)

「事故初期のヨウ素等短半減期による内部被ばく線量評価調査」成果報告書等
川俣町,飯館村,いわき市での甲状腺スクリーニング検査から放射性ヨウ素による甲状腺線量を概算し、ホールボディカウンタによる内部被ばく線量検査から放射性セシウムによる実効線量を得て、ヨウ素による甲状腺等価線量/セシウムWBCで得られた実効線量比を計算し、そこから、それぞれの核種の摂取量の比を求めている。 第10回「県民健康調査」検討委員会(平成25年2月13日開催)東京電力福島第一原子力発電所事故 における初期内部被ばく線量の推計結果平成24年度原子力災害影響調査等事業(環境省)
Internal thyroid doses to Fukushima residents-estimation and issues remaining

体外計測からの摂取核種比推定

Kim E, Kurihara O, Tani K, Ohmachi Y, Fukutsu K, Sakai K, Akashi M. INTAKE RATIO OF 131I TO 137Cs DERIVED FROM THYROID AND WHOLE-BODY DOSES TO FUKUSHIMA RESIDENTS

SPMろ紙試料の活用

三菱総研(H25年度)

事故初期の食品の経口摂取による内部被ばく線量評価調査報告書

環境研究総合推進費

原発事故により放出された大気中微粒子等のばく露評価とリスク評価のための学際研究
Model depiction of the atmospheric flows of radioactive cesium emitted from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

報道例

ろ紙は語る

バイオアッセイ

バイオアッセイによる試料中の放射性物質の量のデータを活用しようとしているもの

第6回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議

資料1-2被ばく線量に係る評価について

学会発表

I‐131の母乳中濃度に基づく授乳婦及び乳児の内部被ばく線量評価に向けた授乳期間中の体内動態モデルの解析

論文発表

Implementation of iodine biokinetic model for interpreting I-131 contamination in breast milk after the Fukushima nuclear disaster
Kamada N, Saito O, Endo S, Kimura A, Shizuma K.Radiation doses among residents living 37 km northwest of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant.

進行中の研究

平成28年度 福島第一原発事故による周辺生物への影響に関する研究会
ヒト乳歯での放射性ストロンチウムやプルトニウムの濃度の測定を試みています。

過去の研究

人骨中のストロンチウム-90の濃度水準と線量

動物試料を用いたもの

被災牛の歯から放射性ストロンチウム~歯に残された放射能汚染の記録~

プレスリリース資料

被災牛の歯から放射性ストロンチウム~歯に残された放射能汚染の記録~

バイオ・ドシメトリィにより原発事故時の作業に従事して労働者の線量評価を試みた例

Biodosimetry of Restoration Workers for The Tokyo Electric Power Company (TEPCO) Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident

環境試料

当時の衣類のGe半導体検出器での計測から吸入曝露量の推定に挑戦している例

論文発表

Body Surface Contamination Levels of Residents under Different Evacuation Scenarios after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident

学会発表

福島県立医科大学 大葉 隆.The Estimation of Thyroid Equivalent Dose by the Surface Contamination Counts and Radionuclides Analysis of Clothes
大葉隆、長谷川有史、鈴木元、大津留晶.表面汚染密度と衣服の核種分析を基にした甲状腺等価線量の推定
東京電力福島第一原子力発電事故における住民の線量評価に関する包括研究

当時のGe半導体検出器での衣服の測定例は6例とありますが、同じ衣服でも表面汚染密度や核種組成に違いはあったのでしょうか?

裾を除き他の部位では、表面汚染密度や核種組成に違いは明確ではなかったそうです。 衣服に付着した放射性物質の量から空気中濃度を推計する際には、衣服に向かって降下したり衝突した核種のうち、どの程度の割合が捕捉されたのかの割合の推計精度を向上させることも重要でしょう。

それぞれの核種の沈降速度を0.3cm/sと見なすことで、線量を過小評価しないでしょうか?

この試みでは6着の衣服の核種組成の情報から、GMサーベイメータでの計数率の寄与核種を推計し、そこからそれぞれの核種の空気中濃度を求めて吸入摂取量から線量を推計しようとしています。このため、ある設定が、何かの評価量にどのように影響を与えるかは、単純にはいえないと思われます。GMサーベイメータでの計数率からの空気中の核種の濃度の推計では、沈着速度を早く仮定していると、空気中濃度を過小評価することになるでしょう(沈着速度は、基準高さにおける濃度に対して表面へのフラックスを与える係数であるので)。 風速を3m/sと仮定すると、10時間で空気は100km程度移動し、乾性沈着の沈降速度を0.3cm/sとすると、その移動の間に鉛直方向100m範囲の核種が地表に沈着することになるでしょう。

湿性沈着による付着分から空気中濃度は推計できるのでしょうか?

衣服が屋外にあり、その間に湿性沈着があれば、湿性沈着の沈降速度を仮定することなどで、推計を試みることができるのではないでしょうか。

過大評価したり過小評価することはないのでしょうか?

この方法に限らず、線量再構築では観測地の不確かさだけではなく、用いるモデルの適切さに推計の精度が依存します。起こりえたシナリオをそのモデルが再現しているかどうかを吟味、問題点を考えられるのはいかがでしょうか。

ガス状のヨウ素はメチル化ヨウ素のことでしょうか?

メチル化ヨウ素は大気中ではガス状で存在すると考えられますが、ガス状のヨウ素には別の化学形のものもあります。
この発表では、大気中に存在する放射性ヨウ素は、40%が粒子状で 40%がメチル化ヨウ素以外のガス状、 残りの20%がメチル化ヨウ素と仮定され、粒子状とメチル化ヨウ素以外のガス状では異なる挙動と仮定されていました。
内田 滋夫, 村松 康行, 住谷 みさ子, 大桃 洋一郎.乾性沈着によるガス状ヨウ素 (I2) の大気から米への移行
福島第一原子力発電所3号機における気体状ヨウ素の放出に関わる解析的検討

メチル化ヨウ素は建物内に侵入しやすくなるのではないでしょうか?

事故前の議論例

原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会第2回被ばく医療分科会ヨウ素剤検討会速記録
○鈴木委員 今の休憩時間に事務局の方と議論していまして、私自身少し勘違いしていたところがあるということが発見されました。それは、先ほどのレディエーション・プロテクション・ドシメトリーの2つのペーパーの中で、あれはチェルノブイリ事故で出てきたヨウ素をターゲットに考えて、その換気率を計算していたんですが、そこで扱っていたのはヨウ素元素なんです。チェルノブイリのと違いまして、例えば軽水炉で水がどんどん落ちてくるような、水に一遍溶けて、それから気化してくるようなヨウ素を考えていったときに、ターゲットになるヨウ素の化学系は、恐らくヨウ素元素ではなくて、ヨウ化メチルになると原子力研究所の方が昔報告しているようです。ヨウ化メチルの方になりますと、今度は侵入がよりしやすくなって、換気率が高まってきます。ですから、先ほど私換気率30%という値で話をしていましたが、それが少し、もっと事態が悪くなるというふうに変わってまいります。そのことをちょっと今、一番最初にお話ししたいと思います。

SPEEDIでのヨウ素の化学形の扱い

JAERI-M 86-111 緊急時のモニタリングと予測計算のための手法並びにシステムの開発

空気中に浮遊する放射性ヨウ素の種類

空気中放射性ヨウ素の性状
空気中に浮遊する放射性ヨウ素は、種々の原因によって物理化学形態の異なった形で存在し、4種類のヨウ素種で代表されることが多い。それらは、元素状ヨウ素(I2)、次亜ヨウ素酸(HOI)、ヨウ化メチル(CH3I)および粉塵にヨウ素が吸着した粒子状ヨウ素である。例えば、1979年の米国スリーマイルアイランド2号原子炉TMI-2事故時に、補助建屋の排気フィルタ上流側で分析された排気中のヨウ素種の構成は次のようであった(文献2)。

大気輸送

WMO

World Meteorological Organization (WMO) Atmospheric Dispersion Model Simulations of Fukushima Daiichi Accident
WORLD METEOROLOGICAL ORGANIZATION THIRD MEETING OF WMO TASK TEAM ON METEOROLOGICAL ANALYSES FOR FUKUSHIMA-DAIICHI NUCLEAR POWER PLANT ACCIDENT
WMO 「福島第一原発事故に関する気象解析についての技術タスクチーム」 活動

JAEA

Detailed source term estimation of the atmospheric release for the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident by coupling simulations of an atmospheric dispersion model with an improved deposition scheme and oceanic dispersion model

ヨウ素の化学形もより細かく考慮した線量再構築の試み

ソースタームの評価と大気拡散シミュレーション
大気拡散シミュレーションの入力条件として必須となる放出源情報について、短半減期核種を含む放射性核種を粒径や化学形態別に細分し大気拡散と被ばく評価への影響を考慮できるようにする。

解説資料

地球流体電脳倶楽部 大気中物質拡散入門執筆グループ

大気中の物質拡散入門 原子力発電所からの放射性物質拡散を念頭に

福島から首都圏へ放射性物質を運んだ風

放射性物質の輸送と夜間の局地風の関係

物理的な方法

電子スピン共鳴法

生体試料を用いたものでは破壊的に行う方法と非破壊的に行う方法があります
東電福島第一原発事故関係では、乳歯を用いた研究プロジェクトが進行中です。
口腔内の歯を非破壊的に調べる方法も開発が進められています。

参考記事

原発事故に伴う放射線への曝露
低線量での生物応答
他船乗員の被曝裏付け 第五福竜丸被害のビキニ実験 広島大の星名誉教授ら 歯や血液解析
「第五福竜丸を振り返って」−日本放射線影響学会第50 回大会・市民講座−
明石真言.第五福竜丸を振り返って

骨も用いた事故による放射線曝露評価の実際の適用例

EPR Dosimetry in Recent Radiation Accident Cases

報道例

ビキニ被ばく 元船員らが国を提訴 「調査非開示で苦痛」

MAYAK WORKER

MWDS 2013

当時のモニタリングポスト

東北地方太平洋沖地震後の福島第二原子力発電所の状況について
Air concentration estimation of radionuclides discharged from Fukushima Daiichi Nuclear Power Station using NaI(Tl) detector pulse height distribution measured in Ibaraki Prefecture

長寿命核種の計測

I-129の計測によるI-131などの推定

Speciation of Radiocesium and Radioiodine in Aerosols from Tsukuba after the Fukushima Nuclear Accident
つくば市内で捕集された大気浮遊粒子に対して I-131/I-129の放射能比は4.5E+7(2011 3/11時点補正)

東京電力福島第一原子力発電所の炉内存在量推定

I-131/I-129の放射能の比(2011 3/11時点補正)
東京電力株式会社福島第一原子力発電所における残存放射性ヨウ素量等について

1号機 2号機 3号機
2.71E+07 3.90E+07 4.11E+07

    

JAEA-Data/Code 2012-018 福島第一原子力発電所の燃料組成評価、西原ら

1号機 2号機 3号機
2.18E7 3.13E7 3.28E7

Retrospective dosimetry of Iodine-131 exposures using Iodine-129 and Caesium-137 inventories in soils – A critical evaluation of the consequences of the Chernobyl accident in parts of Northern Ukraine
1A1-1: 福島第一原子力発電所事故前後における降水中のヨウ素 129 濃度の推移

核種組成からの由来イベントの推計

1A1-2 福島第一原発から北西地域における放射性核種と放射性粒子

医療での放射線曝露と原子力災害による放射線曝露

FDG-PET検査

185 MBq投与で実効線量として成人で3.5 mSv

飲料水・水道水

Masaki Kawai Nobuaki Yoshizawa Gen Suzuki. 131I DOSE ESTIMATION FROM INTAKE OF TAP WATER IN THE EARLY PHASE AFTER FUKUSHIMA DAIICHI NUCLEAR POWER PLANT ACCIDENT

原乳を飲んでいた場合

2011年3月の福島県での原乳・牛乳のI-131の濃度分布

2011年3月の福島県での原乳・ミルクの放射性ヨウ素の濃度

I-131の最大濃度

5,210 Bq/kg(2011-03-19採取)

最大濃度を用いた線量推計例

物理的減衰のみでI-131の濃度が変化すると仮定し、2011年3月15日から3月31日まで原乳を成人が毎日1リットル飲んだと仮定した場合(68 kBqの摂取):甲状腺の等価線量 0.03 Sv、実効線量 1.5 mSv(線量換算係数の適用でミスがあったので修正しています。申し訳ございません)

2011年3月の茨城県での原乳のI-131の濃度データ

2011年3月22日のデータで1.7 kBq/kg 物理的減衰のみでI-131の濃度が変化すると仮定し、2011年3月15日から3月31日まで原乳を8歳児が毎日1リットル飲んだと仮定した場合(29 kBqの摂取):甲状腺の等価線量 0.06 Sv、実効線量 3 mSv

ペットなど動物が受けた線量や動物への移行

PHITS を用いた ICRP 参照動物モデルの再現
動物用ホールボデイカウンターを用いたイヌとネコにおける福島第一原発事故による放射性セシウムの内部被ばく評価
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の飛散を受けて実施した放牧試験牛の乳中放射能緊急調査報告

初期の曝露の経路別割合

1F事故ベースで、10時間の放出継続時間の場合の実効線量(平均値)の内訳

100mSvを超過する付近の距離の内訳 クラウドシャインによる外部被ばく 7%
グランドシャインによる外部被ばく 34%
プルームの吸入による内部被ばく 57%
再浮遊物質の吸入による内部被ばく 2%
放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果について
当時の行動によってはそれ以外の経路が優位となることもあり得るでしょう。

初期に得られたスペクトルの再解析によるI-131の推定

事故後初期のヨウ素131沈着量の分布
核種別の評価(ヨウ素の測定)
福島第一原子力発電所事故後初期の航空機モニタリングによる放射性ヨウ素 (I-131) の沈着量分布の解析
無人飛行機モニタリングシステムUARMS用放射線測定システムの開発

外部被ばくに対する疑問例

UNSCEARの報告書では甲状腺の平均吸収線量における外部被ばくも福島市の方が伊達市や本宮市より大きくなっています。 しかし、3月の空間線量率は伊達市や本宮市の方が高くなっているように見受けられます。
これについても、最も高いところについて推計した、または福島市では長期の累積線量が他より多くなっているなどが考えられるのではないでしょうか?

UNSCEARの推計方法

集団線量も推計されています
自治体間の比較では、どのような代表値を用いるかがポイントになります。
同一自治体内の線量分布も住民も関心を持つと思いますが、Attach_C-12では明示されていないように思われます。
述べられているのは、人口の重み付けのみです。
98. The results of the measurements of the deposition densities of radionuclides on soil were weighted according to the population density in each of the 59 settlements in Fukushima Prefecture...

原発事故以外の適用例

Acute and chronic intakes of fallout radionuclides by Marshallese from nuclear weapons testing at Bikini and Enewetak and related internal radiation doses
ビキニ環礁水爆実験による元被保険者の被ばく線量評価に関する報告書(平成29年12月 全国健康保険協会船員保険部)

EPR tooth dosimetryの限界と課題

紫外線

大臼歯以外の歯は紫外線の影響を受けうるので吟味が必要

どの程度の線量を検出できるか?

BGの変動の大きさも考慮して検出限界や定量下限を決める必要がある。

医療などでの曝露

医療での曝露は除外する必要がある。
その他のラジカル生成要因があればそれも吟味すべき。


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