問題

無限平面線源環境での個人線量計の応答

以下の文章は正しいですか?
『無限平面線源環境で個人線量計(個人に装着した)を周辺線量当量計として用いると、周辺線量当量を安全側に評価するとは限らない。』

参考資料等

提示する線量の種類により自覚的であるべきとの指摘例

帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム(第1回会合)

【森口先生によるご指摘】それから、もう一つは、Svという単位というのは共通に使えるんだということを習いまして、私どもも市民向けの講演会などでは、そのように御説明しているんですけれども、厳密には、実は同じSvでも空間線量と、それから個人線量計ではかられるもの、さらには実効線量との間には、必ずしも1対1の関係にはなっていないというふうに理解しております。ですから、再三、ここで20mSvですとか、いろんな数字が出てくるんですけれども、これは、どの線量に基づいて議論していくのかということは最初に明確にしておきませんと、いろいろ混乱をするのではないかと思いますので、そのことを最初に申し上げておきたいと思います。

常総生活協同組合

放射性物質による客観的汚染レベルを何をもって評価するか、その上で人体への放射線影響の防護政策上の指標を何を使うかを定めておかないと議論が混乱する。従って、それが客観的「物理量」(ベクレルBq、グレイGy、cpm)なのか、物理量に換算係数を乗じた「実用量」(モニタリングポストの空気吸収線量率、サーベイメータによる周辺線量当量率、個人線量計:単位シーベルトSv)なのか、それとも防護政策上の必要から人間が作ったひとつの任意の指標「防護量」(実効線量:単位シーベルトSv)なのかを見分けながら議論する必要がある。

説明例

原子力災害専門家グループ

放射線防護に用いる量と単位~第2回 グレイとシーベルト~

千代田テクノル社

個人線量当量と周辺線量当量について(2015/1/28)
周辺線量当量 H*(d) (Sv)は、対応する整列・拡張場により、ICRU球内の整列場に対向する半径上の深さ d において生じる線量当量として与えられています。

線量当量の説明例

放射線防護で用いられる線量について

文献

平山 英夫.EGS5による地表に広く分布した134Cs及び137Csの環境における個人線量計の評価
Simulation study of personal dose equivalent for external exposure to radioactive cesium distributed in soil

(独)放射線医学総合研究所 (独)日本原子力研究開発機構

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に係る個人線量の特性に関する調査

(独)放射線医学総合研究所

「東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に係る個人線量の特性に関する調査」の追加調査-児童に対する個人線量の推計手法等に関する検討-の報告書の公表について

JAEA

土壌に分布した放射性セシウムによる外部被ばく線量換算係数の計算
高原 省五.福島県内における住民の被ばく線量評価

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バックグラウンドの扱い

バックグラウンドの扱いを明示している例

福島県郡山市

外部被ばくの健康管理
測定対象期間の自然放射線被ばく相当量0.06mSv(約0.07μSv/h)を除いた数値

福島県いわき市

バッジ式線量計による積算線量計(外部被ばく線量)測定結果概要
測定した結果を評価するにあたり、自然界に存在する放射線分を控除しています。(本市の自然放射線量の中間値0.055μSv/h×24時間×92日≒0.12mSv)

福島県須賀川市

平成23年度個人線量測定結果のお知らせ
数値は、自然放射線量(1か月あたり0.05mSv)を除いている。

福島県三春町

三春実生プロジェクト
測定した積算線量には、自然放射線量も含まれています。

福島県二本松市

質問38.年間被ばく数値の計算方法が市町村により違うのは何故か

外部被ばく量の測定方針を決定後、県の補助事業として、中学生以下と妊婦への補助提示がありました。しかし国や県から、積算方法・測定期間、基準値やフォロー体制等の提示はありませんでしたので、各市町村により様々な実施方法となっております。
当市においては放射線専門家チームの助言により実施しております。

マスコミ等での報道がないと市民の皆様に見えにくいと思いますが、市としてあらゆる場面で申し入れをしており、今後も 続けてまいります。市民の皆様からも、あらゆる場面での申し入れをお願いいたします。

バックグラウンドの設定を見直し個人線量の評価値も見直しておられますが、復興庁の資料『放射線リスクに関する基礎的情報』では、まだこの見直しが反映されていないようです(『市町村ごとの方法で実施されており、必ずしも測定時期・期間、線量計の配布対象者数、測定機器等が統一されたものではないため、市町村間及び時点でデータ比較を行う際には注意が必要。』とされています)。

2020年5月(第11版)では、二本松市のデータは削除されています。

線量計の校正はどうすればよいのかな?

   
母親 線量計も機械なので劣化するので校正が必要だと思います。校正はどうすればよいでしょうか
エミ 標準場で応答を確認するか、校正している線量計を同じ応答を示すか確認するかではないかしら
母親 校正場を作ることはできますか?
アオイ 散乱体がない場合の照射線量率として±10%~±20%の不確かさであれば、標準線源が供給されています

校正場の整備

周辺および個人線量当量標準の設定に向けた調査研究

校正場の条件

株式会社千代田テクノル 大洗研究所(JCSS0060)

行動パターンとの関係

D-shuttleでも知られられています。

KURAMA-IIが用いられている例

株式会社 日立ソリューションズ東日本.平成 27 年度原子力施設等防災対策等委託費 生活行動パターンを模擬した連続的な空間線量率の測定事業成果報告書(2016 年 3 月)

医療従事者の曝露はPA?

状況により異なります。

ICRPでの検討

ICRP Committee 2 Meeting October 19, 23-25, 2015 – Seoul, Korea
Task Group 90 on Age-dependent Dose Conversion Coefficients for External Exposures to Environmental Sources: Work is in progress to provide dose coefficients for external exposures of members of the public, important in the context of accidental releases from nuclear facilities as well as more generally.

家屋の遮蔽

Hiroko Yoshida-Ohuchi, Norihiro Matsuda, Kimiaki Saito. Review of reduction factors by buildings for gamma radiation from radiocaesium deposited on the ground due to fallout

線量の高さ分布に与える除染の影響

   
母親 除染するとその場所の線量は下がるけど、除染してないところからの線量もあるので、地表付近だけの測定で納得するとよくないように思う…
エミ Cs-137からのガンマ線は比較的遠くまで飛ぶので、ある場所の線量が地域の状況にも依存します
アオイ 当時は見通しのよい場所で線量が高くなるのは何故?という質問も頂いたのでした…

参考記事

地表面の汚染から受ける線量

不確かさ評価

中村 吉秀.受動形個人線量計にかかるJIS規格改正の動向
認定の基準についての指針
JIS Z 4345:2017 X・γ線及びβ線用受動形個人線量計測装置並びに環境線量計測装置

放射線防護に生かす個人線量測定

個人の被ばく線量に着目した放射線防護

ICRP

ICRP Publication 144

Dose Coefficients for External Exposures to Environmental Sources

温度依存

田原 義弘, 川井 恵一, 西井 龍一, 後藤 稔男, 田村 正三, 温度による個人被曝線量計の測定値への影響 (I), RADIOISOTOPES, 2003, 52 巻, 4 号, p. 180-185
田原 義弘, 川井 恵一, 中村 貴, 後藤 稔男, 田村 正三, 温度による個人被曝線量計の測定値への影響 (II), RADIOISOTOPES, 2003, 52 巻, 5 号, p. 231-234

フェーディングへの影響の検討例

山崎 興樹・江端 英和・大高 敏裕・笠原 貢・眞保 隆博・藤巻 広司・加藤 健二・殿内 重政.蛍光ガラス線量計を用いた積算線量測定(2)―熱ルミネセンス線量計との比較―

帰還した住民が受ける線量

Takumi Yamaguchi, Yasuyuki Taira, Masahiko Matsuo, Makiko Orita, Yumiko Yamada, Noboru Takamura, LOCAL LEVELS OF RADIATION EXPOSURE DOSES DUE TO RADIOCESIUM FOR RETURNED RESIDENTS IN TOMIOKA TOWN, FUKUSHIMA PREFECTURE, Radiation Protection Dosimetry, Volume 193, Issue 3-4, March 2021, Pages 207–220


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更新日:2025年05月31日 
登録日:2015年01月17日 

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