解答結果


○

正解は「正しい」です。

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福島産の流通食品を摂取することで原子力発電所事故に由来した放射性核種により受ける実効線量

以下の文章は正しいですか?
『福島産の流通食品を一年間、摂取することで預託実効線量が1 mSvを超える事は考えがたい。』

解説文

   
母親 みんな内心、食品のことが心配で国の基準は信じていないようです
にゃんこ 国の基準は1ミリシーベルトを超えないようにすることを目標にしています
母親 目標は達成されていますか?
にゃんこ H24年9月の調査で一日に放射性セシウム380ベクレル摂取しており、そのまま続くと2ミリシーベルトを超えるような方もおられると考えられますが、この方の平成24年6月の検査では一日に2ベクレル、平成24年12月の検査では一日に22ベクレルの摂取であり、年間の摂取は0.6ミリ・シーベルト程度であると推定されています(日常食の放射線モニタリング結果(福島県)の平成24年度第3期の結果公表)。平成 25 年 2~3 月に実施されたマーケットバスケット調査では、食品中の放射性セシウムから受ける年間の食品摂取を仮定した放射線量(預託実効線量)は1ミリ・シーベルト/年の1パーセント以下でした。

厚労科研:陰膳調査(平成25年3月のサンプリング試料)

食品中のセシウム、カリウム、ポロニウムによる線量
この時に得られた日々の摂取量を一年間継続した場合の預託実効線量(マイクロ・シーベルト)を示します。
カリウムは食べた量に線量が比例しないと考えられますが、単純に線量換算係数を用いて算出しています。
食品から受ける放射線量の調査結果(平成25年3月陰膳調査分)

マーケットバスケット調査

Hiromi Nabeshi, Tomoaki Tsutsumi, Masaaki Imamura, Yoshinori Uekusa, Akiko Hachisuka, Rieko Matsuda, Reiko Teshima, Hiroshi Akiyama, Continuous Estimation of Annual Committed Effective Dose of Radioactive Cesium by Market Basket Study in Japan from 2013 to 2019 after Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident, Food Safety, 2020, Volume 8, Issue 4, Pages 97-114.

Terada H, Iijima I, Miyake S, Isomura K, Sugiyama H. Total Diet Study to Assess Radioactive Cs and 40K Levels in the Japanese Population before and after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident. Int J Environ Res Public Health. 2020 Nov 3;17(21):E8131. doi: 10.3390/ijerph17218131. PMID: 33153207.

線量の分布

   
母親 中央値は低くても、高い人がいるのではないかとも思ってしまいます
アオイ 福島県の陰膳調査や福島県内の自治体のWBC検査では年間の線量が1 mSvを超える方がおられたことが疑われています
母親 調査結果は一つの代表値だけではなく幅で示して欲しい…

線量が高い方

   
母親 心配もあるけど、地域のものを食べたいという気持ちを持っている方もいます
にゃんこ 摂取制限が未だに適用されている例もあるのですが、線量を制御するという観点では、濃度が比較的高いものでも食べる量を少なくすれば線量は大きくなりません
母親 その一方で絶対無理…と思っている方もおられます
えみ それぞれの方の価値観のお話しなので、一方的に、押し付けられませんね
母親 ここのイノハナご飯の価値は他の方にわかってもらうのが難しそう…

ポロニウム210

   
母親 線量が最も多いのは、ポロニウム210であるようですが、それは何ですか?
アオイ 自然の放射性物質でウランの壊変系列です。地球にはウランが存在し、海水中にもウランが含まれています。内臓を含む魚や貝などで濃度が高いことがあることが知られているようです
母親 産地によってポロニウム210の量は違うのですか?
アオイ ウランの土壌濃度は地域差があるのですが、海産物での地域差は今のところ確認されていないようです
母親 海底泥を摂取する海産物では産地依存があるのではないかと疑ってしまう…
えみ 居付きの海産生物に対して調査すれば産地の依存性について、何かしらの傾向が得られるのかもしれません…

放射性物質の摂取量を推計するための情報例

IAEA TECDOC-1788 Table 8

出典

IAEA TECDOC-1788

IAEA, RASSC

RASSC44, Agenda Item R8.1. Radionuclides in Food and Drinking Water in Non-Emergency Situations

IAEA, Technical Meeting on the Harmonization of Reference Levels for Foodstuffs and Drinking Water Contaminated Following a Nuclear Accident, 8 – 12 September 2014

Agenda
Report of the Chairperson

解説例

ポロニウム210による内部被ばく(細井委員資料)
リスク認知は主観的なものなのでその特性やリスク分配の公平性にも配慮する必要があると考えられます。

対策の必要性の検討に言及している例(原子力発電所の事故の影響を小さく見せることを意図しておりません)

食品安全委員会

御意見・情報の募集結果(食品中に含まれる放射性物質に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての御意見・情報の募集結果)

「要請の経緯 3 環境中に放出された放射性物質の核種(1)自然放射線被ばく」についてタイトルから判断すれば核種について書くべき項目であるにもかかわらず核種について触れられていないと思われる。この内容なら、「食品健康影響の考え方」の一つとして、現在の自然放射線被ばくについて線量の大きさそのものや考えられる個人差を取り上げ、それと比較する形で、食品による人工放射性核種の量をどうするか考えるべきではないか。例えば 2009 年に「保健物理」という雑誌で「Evaluation for Committed Effective Dose Due to Dietary Foods by the Intake for Japanese Adults」という論文が報告され、それでは、日本の食品による実効線量の寄与が 0.80 mSv であるとされている。この論文の検討がされていないようであるが、食品安全委員会として食品による被ばくの個人差についての考え方を決めるためにはこのような検討が必要ではないか。評価書(案)で定められた制限値による線量よりも自然放射線による個人差の方が大きいのでは、規制の効力や妥当性について説明がつくとは思えない。また、この論文の結果ではポロニウムの影響が大きいが、ポロニウムは検討対象にならないのか。

自然放射性物質の対策

   
アオイ ラドン対策は先進国では講じられることがあり、保育園や幼稚園を建設する際に建材に配慮する例も出てきていますが、今のところ、ポロニウム210による曝露を減らすために幼児の食事の食材選択を考慮するべきという勧告は存在していません
母親 曝露量が相対的に大きい日本の消費者の意向が重要そうですね
アオイ タバコのPo-210の濃度は、用いるリン酸肥料の量にも依存しうると考えられているようです。一般消費財では産地依存が確認された例があります(医療機関で使われる鉛の放射線防護プロテクターのPb-210の産地依存例

自然放射性物質の曝露量との比較

   
母親 自然放射性物質の曝露量との比較を伝えるメッセージは安心材料を求めておられる方には有益だと思いますが、反発されることもあると思います
アオイ リスク認知の主観性を配慮すべきであり、リスクコミュニケーション上は、比較の押し付けを避けるようにとされていますね
えみ これだけの社会的な影響を受けた事故でありながら、リスクは小さいので、汚染をないことにしろということなのかと反発を受けるのは当然だと思う
母親 誰にとっても、リスク対策の相場観を得るにはリスク比較は避けられず、公平性の実現を前提にした上で、それぞれの方の相場観作りを援助して欲しい…

ドイツでの説明資料例

Radiation exposure from natural radionuclides in food
日本比べて1/3以下の線量となっています。

今の基準は本当に安全

   
母親 花崗岩とかカリウム40とか昔から身近に色々あったというのはよく聞く話ですが、日本の食文化によりポロニウムによる線量が大きいなんて知らなかった…
えみ 自然の放射性物質のことを考えると、今の基準が本当に安全かどうかよくわからなくなります
アオイ 子どもへのポロニウムによる線量を減らすために魚介類を食べる場合でも種類を考えたり可食部の扱いを注意しようというメッセージは、どこの国でもなされていませんが、保育園などでの建材に注意しようというメッセージを出されている国があります
えみ どのレベルまでのリスクを扱うかは、リスクの感じ方の主観性の問題だけではなく、対策の優先度にも左右されるので、国や時代によって変わりうると言うことですね

流通品の検査

   
母親 産地は不明なのかもしれませんが、流通品の検査で基準を超えるものが見つかることがあるのが気になるという意見があります

流通品の検査で基準を超えたものが検出された例

食品中の放射性物質の検査結果について(第948報)
食品中の放射性物質の検査結果について(第953報)

   
えみ 群馬県では、沼田市、安中市、長野原町、東吾妻町、みなかみ町、嬬恋村、高山村で野生キノコが出荷制限となっているようです。

自治体での対応

   
えみ このような場合、自治体はどう対応しているのかしら?
アオイ 東京都の対応の考え方例です

食品摂取によるリスク

   
母親 高い濃度のものを少量食べる場合と低い濃度のものを食べ続ける場合のリスクはどちらが大きいのかしら
えみ 摂取量によると思う。600 Bq/kgのものを100g食べると60Bqの摂取になりますが、6 Bq/kgのものを100g食べると0.6Bqの摂取になり、それを年間に300回繰り返すと180Bqになります
母親 これを目標とする線量と比べて考えてもよいのですね。放射線のことを学習するとポロニウム210の摂取を減らすべきかどうかも悩んでしまう…
アオイ リスクの性質の違いもあって感覚は人それぞれではないでしょうか…
えみ 個人としてではなく、その地域社会でどう取り組むかは、難しい問題ですが、消費者や事業者、地域の産業界などでどう考えるかが重要そう…

基準値誘導のシナリオは安全側?

   
えみ 食料自給率(カロリーベースで)40%を安全側に50%として云々...という下りがあったかと思いますが、それが妥当かどうか疑問があります。都道府県ごとの自給率を調べてみました
母親 カロリーベースだと福島県は76%であり、シナリオが安全側ではないのではないかという懸念ですね
えみ 50%自給率で見ているから安全側と主張されてるところに、この数字も添えて頂きたいと思いました
母親 一方、実際に受ける線量からは目標を十分に達成しているように思えます
アオイ 平均濃度が誘導された基準値濃度に比べて小さいからですね

2011年~2020年度の10年分の検査データ

用いたデータ

厚生労働省のウェブサイトで公表されているデータを農林水産省が毎年集計

データの特性

生産・出荷段階での管理における放射性物質の検出状況を把握するため、政府の原子力災害対策本部のガイドライン(食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」)で検査対象自治体となっている17都県で生産・検査された農林水産物を抽出して集計したもの。
流通品のデータを含んでいない。
既に出荷制限がされている野生の産品等について出荷制限を解除する目的で行われるモニタリングされている検査を含んでおり、この場合、そもそも濃度が高いと想定される品目をターゲットに検査されることも多い。

資料

年度別、品目等別、都県別の解析結果:食品中の放射性セシウム濃度の検査結果(平成23~令和2年度)

Information on measures for reduction of radionuclide contamination of agricultural produce after the accident at Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in Japan

関係サイト

農林水産省
水産庁による水産物の放射性物質調査の結果

厚生労働省

自治体から厚生労働省に報告された検査データ
厚生労働省の摂取量調査のデータ等
国立保健医療科学院が管理するデータベース(各種検索が可能)

福島県

福島復興ステーション

参考資料等

農林水産省

電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた円滑な食品流通の確保について

福島県での対策

平成28年度県産農林水産物の安全・安心実感ツアーの参加者を募集しています

「ふくしまからはじめよう。」 農業技術情報 (原子力災害対策)

第47号「27年産米の放射性セシウム吸収抑制対策」 (平成26年12月16日)

ホールボディカウンター検査

ホールボディカウンターによる内部被ばく検査検査の結果について

飯舘村

宮崎 真.飯舘村におけるホールボディカウンタ結果解析(平成 24、25 年度施行分)

解析例

Masaharu Tsubokura et al. Reduction of High Levels of Internal Radio-Contamination by Dietary Intervention in Residents of Areas Affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Plant Disaster: A Case Series

トータル・ダイエット研究

マーケット・バスケット調査

厚労科研:マーケット・バスケット調査(平成25年2~3月調査分)
厚労科研:マーケットバスケット調査:食品中の放射性ストロンチウム及びプルトニウムの測定結果(平成25年9~10月調査分)

陰膳調査

福島県

日常食の放射線モニタリング結果

日本生活協同組合連合会

廣川 大志郎, 大森 聖太, 西村 紀明, 吉田 和郎, 和田 伊知朗, 山越 昭弘(日本生活協同組合連合会).陰膳方式によるトータルダイエット試料中放射性セシウムおよび放射性カリウム摂取量推定および経年変化(2011~2014年度)

厚労科研

厚労科研:陰膳調査(平成25年3月)
厚労科研(H25年度)

報道例

国内での日常食中放射性Cs濃度は最大でも基準値の9分の1

FAQ

「全ての地域でCs-134が検出され」とありますが、Cs-137は検出しなかったのでしょうか?

Cs-137も全ての地域で検出されています。
セシウム137は1960年代の大気圏内核実験の影響が未だに残っており、東電福島第一原子力発電所事故の前にも食品から検出されていました。 このため、濃度値が明らかに事故前よりも高ければ別ですが、セシウム137が検出されたからといって事故の影響があったとは言えず、事故の影響の有無はセシウム134の検出状況で判断するのが妥当だと考えられます。 この研究のような前処理をした試料では、セシウム137は事故の影響の有無にかかわらず、当然検出されるとの前提のもとにした記述となっています。一般の方には分かりづらかったかもしれません。配慮が足りず申し訳ありません。

食品中の放射性物質のモニタリング・データ

厚生労働省公表分

食品中の放射性物質検査データ
厚生労働省公表の食品の放射性物質検査データを検索可能な状態にしたものです。

厚生労働省公表分以外も含む福島県内実施分

ふくしま新発売

農林水産物モニタリング情報

生活協同組合の取り組み

コープネットの放射性物質の自主検査

コープデリ

2013 年 1 月 5 回

ストロンチウム

福島第一原子力発電所事故後の食品中のストロンチウム90濃度実態の調査

流通食品以外を食べた場合

野生キノコを食べた場合

福島県の自治体などでは出荷制限食品に関して摂取の自粛を呼びかけている例もあります。
Radiocesium concentrations in wild mushrooms collected in Kawauchi Village after the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant

チェルノブイリ事故後の取り組み

実際にどのぐらい食べていいの?⇒ オルマリー村のモノサシでシミュレーション

総説

福島第一原発事故後の食品からの内部被ばく線量の考察

出荷制限を解除するための手順

基準値超え流通を避けるために設けた出荷制限を解除するための手順に関するメディアでの議論例

全種解除 いつなのか 量少なく検査できず 漁業再生(上)
水産庁「要件見直しも」 厚労省「安心損なう」 漁業再生(中)

野生鳥獣肉

Keitaro Tanoi. Wild Boars in Fukushima After the Nuclear Power Plant Accident: Distribution of Radiocesium
田野井慶太郎.野生イノシシの放射性セシウム(Cs)の体内分布
田上 恵子, 内田 滋夫, 食品モニタリングデータを用いた放射性セシウム基準値超過食材の経時変化に関する考察, RADIOISOTOPES, 2022, 71 巻, 1 号, p. 9-22

下水汚泥モニタリング・データからの線量推計

Mochamad Adhiraga Pratama,ShogoTakahara, MasahiroMunakata, MinoruYoneda.Estimation of radiocesium dietary intake from time series data of radiocesium concentrations in sewer sludge

市場希釈係数

Michio Murakami, Takao Nirasawa, Takao Yoshikane, Keisuke Sueki, Kimikazu Sasa and Kei Yoshimura. Estimation of Dietary Intake of Radionuclides and Effectiveness of Regulation after the Fukushima Accident and in Virtual Nuclear Power Plant Accident Scenarios



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更新日:2022年05月12日 
登録日:2014年03月11日 

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