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問題
県民健康調査
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何故、今さら…と疑問を感じつつも、県の研修を受けて、県立医大の方からお話しをお伺いして、嚢胞と結節の違いが理解できただけではなく、調査は 継続して行わないと、変化を調べられないことに気付きました。調査を受ける側が調査の意義や問題点を理解する必要があると感じました |
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調査の目的や意義の説明だけではなく、限界や課題についても率直なお話しがありました |
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医大での取り組みが何であるのか、これまで分かりにくく感じていましたが、県全体を調査していることが分かりました。でも、健康調査をすすめるだけだけでなく、今、何をしていったら、子育て世代の不安が解消できるのかも考えていくべきではないかと思いました |
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人々の気持ちに添った対応が必要と言うことですね |
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調査してもらい結果を示してもらっても、その結果にどう対応すればよいのかを考えるのが大変な感じがあります。横の機関とも連携が取られた福島で生活していく上で役立つような具体的な内容も聞いてみたいと思いました |
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保健福祉職員向けというだけあって一般の私たちにはよくわからない話です…。 |
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いただいた疑問を考えていると長くなってしまい、最後まで読むにはかなりの集中力が必要だと思う |
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ある程度の専門的知識(統計学、疫学等)のある方には面白い記述内容かもしれませんが、一般のお母さん方は最初読み始めて分からなくなった段階で、それ以上は読む気になれずに、諦めてしまいそう…。 |
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では、ここでまとめてみます |
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結論を先に、お母さん方が疑問持っている事や心配ごとについて分かりやすく端的に(短く)説明して欲しい… |
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残念ながら、第16回福島県民健康調査の検討委員会では、一般傍聴人が質問する時間は設けられていませんでした。私も、聞きたかったことが一つあったのですが、聞けませんでした |
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ふくしま国際医療科学センター放射線医学県民健康管理センターでは、甲状腺検査の出張説明会を開催されていますので、そこで説明を求められるのはいかがでしょうか?討議なさりたいのであれば、地域でシンポジウムを開催されることも考えられそうです。保育士などの方々を対象にした福島県の研修会では、甲状腺検査に関して参加された方の疑問に対して説明がなされ、意見交換の時間が取られました( その紹介例) |
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素朴な疑問を尋ねる場があるとよいのかもしれない… |
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平成26年8月24日に開催された第16回福島県「県民健康調査」検討委員会では、以前から多くの方が注目していた、 「会津地方」の甲状腺がんの検査結果の報告がありました |
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会津地方は、中通りや浜通りに比べ線量が低い地域なので、もし福島県の中で(線量の低い)会津地方だけ、甲状腺がんになる子どもが少なければ、(線量の高い)中通りと浜通りの甲状腺がんは、放射線由来ということが証明されるのではないかと考えられるからですね |
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会津地方でも中通り・浜通りと同等の検査結果であり、「会津」と「中通り」「浜通り」に地域差は見られないというものですね |
地域 | 甲状腺がん ないし甲状腺がんが 疑われる子どもの | 甲状腺検査受診者数 | 二次検査受診割合 |
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避難区域等13市町村 | 33.5 | 4万7780人中14名 | 88.2% |
中通り地方 | 36.4 | 19万9466人中61名 | 90.1% |
浜通り地方 | 35.3 | 7万534人中19名 | 85.5% |
会津地方 | 27.7 | 4万9927人中9名 | 78.2% |
「会津地方」については、まだ二次検査結果が揃っていないことから本分析はあくまで暫定とされています (この記事の「会津地域の中でも他の違いがあるのではないか?」で第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会で示されたデータで計算し直しています。その後、更新されたデータはこちら。)
甲状腺検査【本格検査(検査 2 回目)】結果概要<確定版>資料
表 11 に対する検査間隔による発見率の調整例
この地域差は放射線以外の要因によると考えられます。
x <- matrix(c(49454,207165,72871,51766,38,119,25,9), ncol=4, byrow=T)
fisher.test(x, workspace=1000000)
Fisher s Exact Test for Count Data
data: x
p-value = 7.716e-06
alternative hypothesis: two.sided
y <- matrix(c(49454,207165,72871,51766,17,39,10,4), ncol=4, byrow=T)
fisher.test(y, workspace=1000000)
Fisher s Exact Test for Count Data
data: y
p-value = 0.01618
alternative hypothesis: two.sided
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「悪性ないし悪性が疑われる」受診者の割合が、会津地方ではやや低いように見受けられますが、県立医大の説明では、二次検査終了者の割合が、中通りや浜通 りに比べて低いことが影響したためであり、原子力発電所事故の影響を示しているのではないと説明があったデータですね |
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2次検査の結果がすべて揃えば、会津地方も中通り地方や浜通り地方と同等になる可能性があるというお話しだと思います |
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第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議で津田先生が指摘なさっておられたように、有意でなくても増加が疑われるのであれば、「その準備が必要」という意見に説得力を感じます |
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有意でなくても違いがありそうであれば、その原因が何かも合わせて考えていくとよいのでは… |
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疑問点は何ですか? |
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地域による違いは、地域間で線量が違うのでそれを比較しようとしていると思うけど、検査を受けたお子さんの年齢分布も判定割合に影響を与えそうなので、その影響を検討した結果も合わせて示して頂けるとよいのではないでしょうか |
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細胞診等で悪性ないし悪性疑いであった方の線量の情報が示されていますので(第23回)、甲状腺検査の判定結果と線量の関係を調べてみてはどうかしら |
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これも線量と年齢に関係がありそうなので調整して調べるとよいのではないかしら |
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地域によって検査の時期が異なっています。会津地方では、事故後3年目(平成25年度)に検査が行われています。原子力発電所事故の影響があった場合には、時間がたてばたつほど、がんになる人が増える可能性も考えられますから、事故後1年目(平成23年度)や2年目(平成24年度)の、中通りや浜通りの検査結果と、単純には比較できないと思います |
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対照地域との比較では、時期の違いへの考慮も必要になりそうですね。会津地方でがんの罹患率を過大に評価しているとすると、放射線による影響を過小評価するのではないかという疑念ですね。他の疑問はいかがですか? |
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会津地域の中でも甲状腺がんの発症割合に違いがあるのではないかという疑問を検証されているページがあります |
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データを元に皆さんで色々検証されてみられるとよいのではないでしょうか |
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データが公開されているので検証できますね。会津地域での東側と西側で悪性ないし悪性疑いとされる割合に違いがあるのは本当そうですか? |
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この分類法に従うと、一次検査受診者数は、東側で22,319人で西側が10,240人で、悪性ないし悪性疑いとされる受診者は、東側で9人、西側で0人 となりそうです |
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そのサイトでは、磐梯町を東側としてカウントしていそうですね |
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磐梯町は、悪性ないし悪性疑いとされる受診者が0人となっていますので、仮説を検証する上では安全側の計算をされたのかもしれません |
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地域により「悪性ないし悪性が疑われる」確率が異なるかどうかを検証する独立性の検定を行うと得られた観測データで帰無仮説が成り立ち得る確率は どうなりますか? |
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何を話しているのか理解できない… |
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会津地域の西側に比べて東側で「悪性ないし悪性が疑われる」が多いかどうかを確認しようとしています。帰無仮説は、会津地域の西側と東側では、受診者が 「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがないです |
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『会津地域の西側と東側では、受診者が「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがない』という仮説の元で、この観測データが得られる確率は 0.094となりました。統計学的には、会津地域の東側と西側で悪性ないし悪性疑いとされる割合が同じという帰無仮説を積極的には否定できません |
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統計学的には、偶然と考えてもよいとなるのかもしれないけど、このように偏りがあるように思われる結果が得られるのは確率としては10分の1(10回に1回)程度に過ぎず、偶然だと主張されても困るという結果だと思います |
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東側と西側で差がないという帰無仮説は否定できなかっただけであって、その帰無仮説が正しいこと立証されたのではないはず… |
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何を話しているのか理解できない… |
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統計学では確率として10分の1(10回で1回)程度起きることは、めずらしいことではないと考えるみたいです |
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確率として10分の1(10回で1回)程度起きることとは何ですか? |
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会津地域の西側では1万人に0人なのに東側では2万人で10人であることは、本当は、西側と東側でがんの発症割合に差がないとしても、このような観測機会が10回あったら1回程度は起こるということです。それは珍しいことではないので、西側と東側でがんの発症割合に差があると主張するのは、この根拠だけでは苦しいというお話しですね |
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本当は東側の方が発症割合が高いと考えた方が、この結果には矛盾しないと思う…。わざわざ二重否定の論理を使うことが理解できない… |
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それはそれで深い話みたいですが、とりあえず仮説検定の考え方は疫学の試験の山なので学生さんはみんな覚えています |
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偶然に差がついた可能性(=観測結果が、偶然変動に基づく違いで説明がつけられる確率)が5/100しかないのなら、偶然ではない可能性を前提に検討したほうがいいのではないでしょうか? |
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それが仮説検定の考え方です |
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10/100だと偶然おこったに違いないと考えるのは自然ですか? |
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p値は5%が一般的だそうです |
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教科書には有意水準はタイプ1エラーが生じる確率とありました… |
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観測結果が、偶然変動に基づく違いで説明がつけられる確率が5/100よりも大きかったら、それは偶然だと考えようという話でもないですね |
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リスクを見落とさないようにするにはタイプ2エラーを考えて欲しい… |
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1/10程度の確率で放射能との影響ではない可能性はあり得る事だとする表現ではなく、9/10の確率で放射能による影響だとする方が妥当であるといった 表現に訂正してもらえません? |
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「1/10程度の確率で放射能との影響ではない可能性はあり得る」という話ではないですね |
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このような結果が得られるのは、偶然としてもありえるということですね。検定の多重性を考えると、どこかで有意な結果になるのも不思議はなくて、 むしろ、検定の多重性を考慮せずに、たくさん検定しても、有意な差が検出されない場合は、その検定が怪しいとなりそう |
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100回に5回しか偶然では起こらないことでも14回も繰り返すと、その事象が一回の観測されない確率は0.5を下回ることになります |
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でも、p<0.05であった事実を重く受け止めるべきであり、偶然による違いではなく、放射能による影響だとする方が妥当ではないのでしょうか? |
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その可能性はもちろん否定できませんが、それを積極的に証明するのが大変ということではないかしら |
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ここでの仮説検定は、ある現象が何らかの要因の影響を受けているかもしれないときに、その要因を受けているか受けていないのどちらが、どの程度の確率で正しいと言えるかを調べるものではありません |
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影響がどの程度であるかを知るには、量反応関係が示されるとよいのではないかしら。そこから原因確率分析してみてもよいかもしれない |
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確率論としても福島医大の言っている事は結論ありきで、理由はこじつけであり、大きな確率の方を採用するのがリスク管理としては一般的では無いのでしょうか? |
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科学的根拠がなければ、リスク管理は不要というのも乱暴なお話しで、知恵を絞って取り組む必要があると思う |
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そのためには色々な材料から考えていくのがよいのではないしら。差があるとしても、それが何によるのかも気になるところです |
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それが、 precautionary approachですね。リスク対策では、リスク認知の主観性に配慮することも重要でしょう。ここで、仮説検定の考え方を復習しておきます。要するにある仮説が正しいことを証明するのは難しいけれども、誤っているのを証明するのは簡単(少なくとも1つの反例を見つければよいので)という理屈です。帰無仮説が棄却できなかった場合(帰無仮説が間違っていると証明できなかった場合)は、帰無仮説が誤っているとは言えないだけであって、帰無仮説が間違っていないとまでは主張できません |
AMERICAN STATISTICAL ASSOCIATION RELEASES STATEMENT ON STATISTICAL SIGNIFICANCE AND P-VALUES
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二重否定の論理を仮説検定で使うのは科学的な思考だからよいと思うけど、二次検査結果が出てくると、検定結果は変わりえるのですか? |
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西側で悪性ないし悪性疑いとされる受診者が1人でると、『会津地域の西側と東側では、受診者が「悪性ないし悪性が疑われる」と判定される確率に違いがない』という仮説の元で、この観測データが得られる確率は0.26となります |
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それでも、このように偏りがあるように思われる結果が得られるのは3回に1回程度に留まっているのね。違いがないと主張することには無理があるよ うに思ってしまう…。 |
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そもそも違いがないことをこの結果からは積極的には主張できないはずです |
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でも違いがないと証明されたと受け止められがちです |
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この研究デザインでは、どの程度の違いを見抜けるかの説明があるとよいのかも… |
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その一方で、何倍に増えているという主張は、基準となる量をどのように計算しているかも気になるところです。リスクを見逃さないようにしようとい う姿勢は良いと思うけど、基準となる値を過小に見えるように恣意的に求めているとすると、それはフェアではないと思う |
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結果の不確かさがどの程度かというのもprecautionary approachでは大切だと思う |
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話しについて行けないままだけど、お互いに真摯に吟味し合って欲しい… |
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1万人に0人と2万人で10人程度だと10回に1回だったのが、1万人に1人と2万人で10人程度だと3回に1回は観測されるので、差がないという仮説がより否定しにくいという理屈ですね。でも、やっぱり違いがあると考えるのが自然な気がする… |
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本当は違いがあるけど、この調査デザインでは、真にある差を見出す力が足りなくて、その違いがランダムさなどのノイズの中に埋もれてしまっているのではな いかという懸念ですね |
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何を話しているのか理解できない… |
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同等かどうか調べるのであれば、本当はある見逃してはならない程度の違いを、誤って見逃してしまうのを防ぐ必要があると言うことですね |
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うっかりしないで、しっかりと違いを見極められるように注意すべきと言うことですね |
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まさにそのとおりで、専門用語ではタイプ2エラーとされています。結果に影響を与えるような変動要因を制御したり、偶然変動を小さくするためにサンプルサイズを十分に確保しないと、その誤りを小さくできません |
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統計学の考え方に馴染むことが社会での問題を考えていく上で重要な気がする… |
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生きていく上では、誰もが統計学的な考え方で物事を判断しているのではないでしょうか |
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理屈は単純なので、じっくり考えたい方は、コンピュータで実験しながら調べていけばよいと思う |
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本当は地域によって病気のなりやすさに違いがある場合に、どうすればそれが証明できるか知りたいだけですけど… |
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エコロジカルな研究に限界があるのはわかるけど、情報をより活用するという観点からは、 空間疫学の方の貢献も期待したいです… |
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プルームの濃度だけではなく、当時の避難の状況も考慮した解析結果を示していただかないと、しっくりこない… |
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本当にある差を見逃さずに見つけたいのであれば、調査の質を向上させたり、より多くの方の協力を得ることが必要になりそうです |
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真実を明らかにするために不利益を覚悟で調査に協力して下さる方は多いのではないでしょうか。そもそも不利益は工夫すればほとんど無視できる程度 にできるように思う |
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親と子どもの利害が一致するのかどうか、子どものことを考えると頭が混乱してくる… |
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東側と西側で他に何か違うことはないのかも気になります。二次検査にまわる割合には違いがないですか? |
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二次検査の対象になった受診者は、東側で239人、西側で82人となりそうです。計算するとp値(=帰無仮説が正しいという前提の元での観測データが得ら れる確率)は0.026となりました |
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統計学的にも偶然とは考えがたい違いですね。100分の3の確率(百回に3回)でしかおこらないことが偶然に観測されたと考えるのは相当無理があ ると思うし、この結果は、二次検査結果が出そろうかどうかと関係がない… |
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ランダムなデータセットでも百回に3回はおこることですが、何か違いをもたらすものがないかの検討があるとよさそうです |
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二次検査の対象にするかどうかの判断に何が影響を与えているかを考えると言うことですね |
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先行調査のデータが出そろったと思いますが、それでも検定結果に違いはないでしょうか |
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第19 回福島県「県民健康調査」検討委員会で使われた資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要を用いて、会津の東と西では二次検査で陽性になる割合に差がないかを計算してみてはどうでしょうか |
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東を会津美里町、会津坂下町、湯川村、会津若松市、猪苗代町、下郷町、西をそれ以外とすると、一次検診受診者数は、東:22,503、 西:10,318で二次検診対象者数は、東:241、西:82となりますね |
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計算するとX-squared = 5.2601で df = 1なのでp-value = 0.02182となりました |
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悪性ないし悪性疑いでは、どうでしょうか? |
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東:11、西:1なので、p-value = 0.1194で、95 percent confidence intervalは、 0.73 - 220でodds ratioは 5になりました |
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やみくもに検定するのではなく、 センスよく考えられるとよいと思う… |
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検体の多重性を考慮せずに検定を多数繰り返しても全く有意差が検出されないとすると、それはそれで何かがおかしいと思う |
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検定の多重性は、「何度も検定を繰り返すと偶然で発生する確率が高くなる」と表現されることもあるそうですが、「確率が高くなる」ところにポイントで、どの確率が高くなるかの吟味が必要なところだと思う |
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多地域がある場合に2つの地域比較を想定している場合には、とりあえず、本来はどの組み合わせでも差異がない場合に、一つの検定結果でも誤って差異が検出されることのない確率が小さくなると言えると思います |
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他に疑問はないですか? |
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細胞診を同じ率で実施していればもっと見つかっていたとするなら、会津地方の発症率は平均年齢差0.5歳で23年地域の2.7倍、中通りの1.5 倍で、増えていることになりますが、そのことへの説明がないのは良くないと思います |
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会津では「悪性ないし悪性疑い者率」が10万人対27.7人であることと比較しているのですか? |
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細胞診受診率が低いことB判定のうち細胞診実施率が低下しているならば、表9によれば会津地方は、以下のことが観測されます。 |
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その原因として何が考えられますか? |
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可能性としては、以下のことが考えられると思います |
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その原因として何が考えられますか? |
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検査基準を変えていないなら(2)です。 |
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実際の検査基準は変わっていないと考えられそうですか?仮説の(2)が正しいかどうかは(他の仮説が誤っているかどうか)、どのように検証すると良いですか?その他の可能性は考えられませんか? |
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放射線の影響を評価しようとするのであれば、細胞診が必要と判定される割合をエンドポイントにすることに無理があるのかもしれない… |
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この検査が単なる調査ではなく、公衆衛生サービスとして提供されていることから、判定はその時々で最適化すべきだと思うけど、その判定の変化をAIを使った分析で明らかにできるのではないかとのアイデアを科学コミュニケータの方からお示し頂きました |
超音波検査を踏まえての細胞診実施基準を定めている。但し、強い検査要望があって実施せざるを得なかった事例が、特に震災直後の初年度は非常に多かった印象がある。(医大)
細胞診の施行率について、年度毎に低くなってきているが、これは一定の診断基準のもと、過剰診断にならないように常に診断の質の向上を図った結果と考えられる。
そもそも福島県で、この甲状腺の検診をやられているのは、チェルノブイリでとにかく目立って増えた甲状腺のがんとしては、小児の甲状腺がんであると。そういうことは一般の住民もあらかたの方が知っておられるという状況で、福島で甲状腺がんが増えるのではないかという懸念を持っておられるのに対して、本当に増えるのかどうかについて、やはり科学的に評価せざるを得ないということそういうことからいきますと、先ほど言いましたように、一定の基準で検査をして、一定の基準で、例えば具体的には超音波ですね。一定の基準で超音波を読んで、一定の基準で細胞診をするかしないかを決めて、それを一定の基準で判断すると。そういうことをやるべきだということで、福島県では、実際、そうやっておられます。例えば具体的には、関西のほうに転居してこられている住民さん達は隈病院でも検査しているのですけど、福島県からの依頼で検診もしているんです。当院で超音波の検査を行っても、そのデータは当院では判断しなくて、福島県に送って、福島県のドクターが一定の基準で判断するということ。それで、必要があれば、細胞診も、福島県のほうからの指示に従って細胞診をして、それはまた福島県にお送りするというふうなことで、考えられる範囲では、一定の基準でやるように努力をしておると私は理解しております。
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何故、線量の低い会津地方でも、3,600人に1人もの子どもたちが、甲状腺がんに罹患してしまったのでしょうか? 国立がん研究センターのホームページ (小児がん情報サービス)によれば、わが国では年間2,000~2,500人の子どもが小児がん(全てのがんを合わせた数)と診断されており、その確率は、子ども10,000人に約1人の割合だそうです。がんの種類は、(1)白血病33%、(2)脳腫瘍22%、(3) 悪性リンパ腫9%、(4)神経芽腫6.6%、(5)腎腫瘍3.5%などが主なものであり、胃がんや肺がんなどは、子どもにはみられないそうです。そこには甲状腺がんの名前はありませんでした |
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小児では、甲状腺がんは稀とされていたのにも関わらず福島県での調査では有病割合が大きいのではないかという疑問ですね |
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甲状腺がんは、予後が比較的よいとされ、今回の医大の発表によれば、現在福島県の子どもたちの中で甲状腺ガンの手術をおこなっているのは、(1)リンパ節転移、(2)遠隔転移、(3)甲状腺被膜浸潤、(4)術前腫瘍径10ミリ以上など、いずれかの所見がある患者に限っているそうです。これまで多くの子どもが手術を受けておられ、本当に考えただけで胸が痛くなる悲しい事態です。果たして、こうした深刻な小児ガンというものが、こんな高確率でおこるものなのでしょうか? |
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そもそも、小児ガンは10,000人に約1人とあるのに、何故線量の低い会津地方でも、甲状腺がんが3600人に1人もの高確率で発生しているのかが疑問ということですね |
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もし、この事態が放射能の影響が考えられず、単なるスクリーング効果なのであれば、多くの子どもたちが、甲状腺ガンにかかっている原因を、別に緊急調査しなければいけないと思うのですが、何故そういう議論がおこらないのでしょう? |
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これまでのがん死亡統計に何かの間違いがあり、本当は早期治療が可能な甲状腺がんを持っている小児が多くいるという懸念ですね。そのお話しは、下の方の「小児を対象にした甲状腺スクリーニング」で扱います |
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会津の東側でも甲状腺がんが多発しているのではないですか? |
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線量の低い会津地方でも、甲状腺がんが増加しているとすると、(1)会津地方は元々甲状腺がん多発地域であった、(2)会津地方での線量評価に系統的な誤りがあり本当は放射線の曝露量がもっと多かった、(3)会津地方の子どもの放射線感受性が高く少ない線量であっても甲状腺がんが多発している、(4)スクリーニング効果であり見かけ以上増加しているに過ぎない、(5)その他、が考えられるのではないでしょうか |
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スクリーニング効果とは何ですか? |
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無症状者に詳しい検査を行うことにより、罹患率などが見かけ上増加することを言います。検査の質が向上すると、見逃していたがんが発見されるので、がんの患者が増えることになります |
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その他では何が考えられますか? |
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会津では、相対的に年齢層の高い子供の検査受診割合が低いようです。このため、(放射線由来ではない)甲状腺がんの発症率が年齢とともに上がるとされていることが、この結果に何らかの影響を与えるのではないかなどが考えられるのではないでしょうか |
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検査の内容によって、がんの患者の数が変わるなんて不思議です… |
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他に疑問はないですか? |
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意味があるかはわかりませんが、「村」の発症率が高めのような気がしますので、市、町、村、にグループ分けして発症率を単純比較してみました。結果はなぜか、どの年度も「村」に住んでいる人たちの発症率のほうが「町」より高くなっています |
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どのようなことが考えられそうですか? |
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位置的・地形的な要因か、村のほうが市街地より自家野菜や沢水・湧き水の摂取割合が高いなど、何らかの要因があるかもしれません |
東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺の緊急時モニタリング調査結果について(3月11日~15日実施分)
福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺の緊急時モニタリング調査結果について(3 月11 日~15 日実施分)の一部訂正について
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村だと自然が豊富ではないかと考えるのは自然だと思うし、そのような吟味は重要だと思うけど、疫学の試験の山からは、まずは、偶然変動の人口サイズ依存性を疑ってしまう…(人口の重み付けの考慮の必要性の教育的な説明例) |
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このグラフは、福島県内自治体別に悪性ないし悪性疑いと判定された方の割合を示しています。横軸は、各自治体の一次検査受診者数です。データは、第16回福島県民健康調査の検討委員会で示されたものを示しています。赤は平成23年度、緑は平成24年度、青は平成25年度を示します。偶然変動の人口サイズ依存性は詳しくはこちらをご覧下さい |
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この仮説を検証するには、それぞれの方の放射線曝露量の推計を元にした解析が有効そう… |
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初期の放射線の線量をはっきりさせて欲しい… |
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今さら、昔のことを思い出したくないという方もおられる一方で、流通していない原乳を初期に摂取された方もおられるという話もあるようです |
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飲料水の環境も福島では日本とは思えないほど多様性がある… |
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先行調査と本格調査の違いもよく理解できません。混乱を感じてしまいます |
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難しく思うのはどのようなことですか? |
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先行調査がベースラインを把握するためだとすると、全数調査が本当に必要なのか不思議に思います |
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ベースライン把握であれば、サンプリング調査でもよいのではないかという疑問ですね |
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学校での疫学の授業では、研究デザインでは、例数設定の検討が必要と習いました |
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県民健康調査は、疫学調査であるという説明がなされていないので、がんが増えたかどうかを判定するのが調査の目的であると受け止められていないと考えられるのかもしれません |
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県民健康調査は、県民の健康を見守ることを目的とされていることから、がんをできるだけ早く発見して、がん死亡を減らそうとしているように受け止められているように思います。この考え方だとすると、全数調査は納得できますが、先行調査と本格調査の違いが何なのかよくわからなくなるということだと思います |
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県民健康調査のそもそものあり方を問う、星座長による[県民健康調査検討委員会中間まとめ(甲状腺検査に関する論点整理)(座長素案)](https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai.htmlとも共通する問題意識ですね |
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先行調査でベースラインを把握するという考え方は、チェルノブイリ事故の経験を踏まえていると思いますが、チェルノブイリ事故時に事故早期の甲状腺がんの発症をきちんと把握できていたのかどうか疑問を持たれていることも疑念の1つだと思います |
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私たちの素朴な疑問に付き合って欲しい… |
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日本では、3基もの原子炉が炉心溶融したので、3基分の核燃料に含まれていた放射性ヨウ素を含む気体性の放射性物質の殆どすべてが大気中に放出された格好になったのではないかと思います |
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放出量推計データでも希ガスの放出量はチェルノブイリ事故よりも大きいわね。放射性ヨウ素の放出割合の疑問があるのであれば、専門家に手伝ってもらって疑 問点を整理してもらうとよいのではないかしら。その上で、甲状腺が受けた線量がどうかを吟味していくのはどうかしら |
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現時点での小児甲状腺癌の発生状況から考えた場合、チェルノブイリ原子力発電所事故を上回る規模の甲状腺癌が見つかって来るという可能性も十分有り得る様な気も致します |
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どの程度の可能性があるかを吟味していくのはどうかしら |
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また、これらの初期のプルームに覆われた形になった、福島県内のみならず、他の東北や関東の地域の広いエリア内に於いても、同様の事態が起こってしまっている可能性が十分考えられる様に思います。 |
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調査の問題点も理解した上で、ご協力いただける方を確保して調べてみるかどうかが課題ですね…。他に検証できそうな方法はありそうかしら… |
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既に福島県内で57名の小児甲状腺癌が確認され、内54名に対してその摘出手術が為されていますが、その中にはリンパ節転移のみならず、肺転移を起こしている例までも見つかっている様です |
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2014年8月28日に日本癌治療学会で発表されたデータですね |
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もし、国や福島県が言うスクリーニング効果によって、直ぐに手術が必要な状態の小児甲状腺癌が福島県内だけで54名も見つかっているというのなら、日本国中の子供を検査すれば数千名もの子供に、直ちに手術が必要な小児甲状腺癌(しかもリンパ節転移や肺転移を伴った)が見つからねばならない、という事になるでしょう |
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そうなりそうですね |
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日本政府の言い分が正しいというのであれば、直ちに日本中の子供の甲状腺がんの検診をやらねばならなくなる筈ですが、そんな話は一向に出て来ません。 |
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検診を行うかどうかは有効性の検証が求められるところだと思いますが(乳がん検診の議論例、仮想内視鏡による大腸がん検診の例)、検診すべきかどうかの議論は皆さんの間ではどうなっていますか? |
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過剰診断のお話しは、みんなまやかしだと思っています。何か不都合な真実を隠すための陰謀ではないかしら…。成人病検診を含め、検査をする事が医療現場や予防医学の基本です。成人病検診で”がんの疑い”があるから再検査(二次検査)しますと言われて検査結果が出るまでの2~3週間ぐらいの間は誰もが不安になります。しかし、この不安だからと言って成人病検診を止めさすでしょうか?これがまかり通るようだと医療の基本が崩れませんか? |
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不安をもたらすので、受診者にも利益をもたらしうるものをやめようという議論とは違うように思う |
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医療現場がやるべき事は検査を止めるのではなく、検査した結果に対し、個人個人に対し”心配は不要”だとする医学な正確な知識を説明してあげる事です。私の父も15年ぐらい前に胃の検診で、精密検査が必要だと言われ、非常に不安になりましたが、看護師からの言葉で救われました。そのようなケアをまったくやっていない事が問題だと思います。結果を文書で通知するだけで、その結果の判断を患者や患者の家族に任せるようなやり方では不安はつのるばかりです |
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”心配は不要”と説明するのは無理があるように思うけど、不安な気持ちをサポートすることも求められ、そのためには皆の力が必要そう… |
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その上で、検診を行うべきかどうかを様々な角度から吟味している例です |
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「偶然変動の人口サイズ依存性」とのことですが、このくらいの発症割合の場合、人口何人くらいから偶然変動によるのではない、とみなされるのでしょうか? |
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発症割合の偶然変動が検査を受けた人数にどの程度影響を受けるかを考えるとよさそう |
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統計学的に考えるのであれば放射線計測と同じように考えてみるのは、いかがでしょうか? |
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ある期間の観測数のばらつきはどの表現できるかを考えればよいのかしら |
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放射線計測と同じとは? |
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放射線計測は測定時間内にたくさんあるうちの一部の放射性核種が壊変して、検出器に向かって放射線を飛ばして、エネルギーを検出器に与えているのを数えているから、あたりの確率が小さいくじをたくさん引いていることで模擬できると考えると、多くの方に検査をしてがんを持っている方を調べるのと同じ 構造にあるということですね |
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なるほど検査でがんが見つかる人の人数が、ポアソン分布に従うということね。だとするとその分布の標準偏差は平均の平方根になるはずね |
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がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を3千人程度(浪江町や三春町のようなサイズ)とすると、予測される発見数は1人で標準偏差は1人 となります |
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2標準偏差分の変動があると発見数は3人ですね |
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なので3人以上の発見数となる確率は2.5%と考えられます |
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このような自治体が10個あったとすると、3人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は、1-((1-0.025)^10)で2割程度になりそうで すね |
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発見される数が倍となる2人以上だと、同様に計算すると、1-((1-0.15)^10)で8割程度になります |
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偶然変動の影響が結構大きそうですね |
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この確率が人口の大きさでどう変わるか計算してみよう |
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がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を9千人程度(南相馬市、伊達市、白河市や須賀川市のようなサイズ)とすると、予測される発見数は 3人で標準偏差は1.7人になります |
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その3倍の 9人以上の発見数となる確率は0.3%だと考えられます |
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このような自治体が10個あったとすると、3人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は、1-((1-0.003)^10)で0.3%程度になりそ うですね。これだけのサンプルサイズだと安定しそう |
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発見される数が倍となる6人以上だと、同様に計算すると、1-((1-0.04)^10)で3割程度になります |
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がんが発見される確率を1/3,000として、受診者数を5万人程度(福島市、郡山市やいわき市のようなサイズ)とすると、予測される発見数は17人で、このような自治体が10個あったとすると、倍の34人以上の発見数となる自治体が1つ以上ある確率は0.02%となります |
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ここまでくるとかなり安定しそう |
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それにしても、会津の東側に比べて西側での発見割合が小さく見えるのが謎だ…。市町村の規模のばらつきをなくすために、隣接する市町村を1万人前後にグループ分けして計算した例では、中通り中部と中通り25年度対象地域で5倍の差があるのも不思議です。5倍の差がつくことはあまりなさそうですが... |
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観測確率は1.5%程度なので偶然とは言いがたいですが、「隣接する市町村を1万人前後にグループ分け」しているのが、最初の分析デザイン通りだったかどうかも吟味が必要かもしれません。曝露量と発症確率が関係するかどうかで分析できるとよいと思いますが… |
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本当はあるかもしれないリスクを見逃す間違いを避けたい気持ちを理解しているのか疑問を感じてしまう… |
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その気持ちと、本当はそのレベルに到達していないリスクを間違って何らかの対応が必要なリスクと判定してしまうことを避けたい気持ちは、どちらが正しいというものではないと思う |
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得られる情報を最大限活用して、皆で検証し合うしかないのでは… |
講義4 統計(1) 『サンプルサイズの決め方の基本原則がわかる』など(pdf file: 2.1MB)
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福島県が実施している「県民健康管理調査」の先行調査地域(川俣町(山 木屋地区)、浪江町、飯舘村)の住民のうち、1,589名(放射線業務従事者を除く。)の事故後4ヶ月間の累積外部被ばく線量を、実際の行動記録に基づき推計したところ、1ミリシーベルト未満が998名(62.8%)とあるけど、飯舘村の住民の方々が受けられた線量とは何かが違うように思ってしまう |
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地域別に1ミリシーベルト未満である方の割合が異なるからではないでしょうか。福島県では地域別にデータを示していま す |
地 域 | 評価 対象者 | 1mSv未満 | 割 合 |
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川俣町(山木屋) | 553人 | 145人 | 26% |
飯舘村 | 1,944人 | 243人 | 13% |
浪江町 | 7,250人 | 5248人 | 72% |
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人口サイズが大きい自治体の影響を受けているのですね… |
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2巡目はまだ検査が進んでいないので、H23年度地域の発症率を比較してみたのですが(国が指定した避難区域等の13市町村(川俣町、浪江町、 飯舘村、南相馬市、伊達市、田村市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、葛尾村で比較))、H26年度地域(前回H23年度地域) は二次検査受診割合76%で、悪性&疑い割合6人/29,497人=0.02%、1巡目は 0.03%(=14人/41,981人)です。ただし、検査時年齢はわかりません。『甲状腺癌疑いが4名新たに診断されています(0.005%)。暫定データですが、一巡目と比較してその発見頻度は約8分の1となっています』とあるのは、ミスリーディングだと思います |
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これに福島市(2人/40,210人)を足すと、8人/69,707人(=0.01%)と半分になりますね。福島市を足した分で自治体別に受診者数と悪性&疑いの発見確率をプロットしてみました |
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福島市では二次検診を受診した割合がまだ55.5%で、そのうち結果が判明したのが55.0%なので、悪性&疑いの発見確率が低めになっているの ではないでしょうか |
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福島市のデータはこの4倍程度になり得るかもしれないとしても、ここでも人口サイズによる偶然変動が観察されていそう |
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偽陽性や偽陰性は検査を行った検査者の技術の未熟さを示すものなのでしょうか? |
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検査を行う上で避けられないものだと考えられます |
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素朴に考えると、感度を高くして、疾患のある方はすべて検出しようとすると、偽陽性の可能性も高まるはず |
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新たに心配の負担をかけないという観点からは、偽陽性は避けるべきだと思う |
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偽陰性であっても、取り返しが付かないほど進行するリスクが低いのであれば、たとえ偽陰性が多めに出ても、偽陽性を避けるほうが、運用としては理 にかなっていると、(他人の気持ちが今ひとつ理解できないように見えてしまう冷たい(が本当は熱い気持ちを持っている))功利主義者から言われそ うですが、それには納得できない思いもあります… |
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限界を認めて最善策を考える以前の関係作りが課題なのかもしれない… |
第17回福島県「県民健康調査」検討委員会議事録
あの、検査の見逃しというのと、(スクリーニング)検査による偽陰性というのは違うので、そこだけは誤解しないほうがいいと思います。
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国立がんセンターの偽陰性(false negative:FN)の説明では、がん があるにもかかわらず、検査で「陰性」と判定されるもの。下記の表のbに該当する。見逃し例(interval case)ともいう。とあるので、この説明から考えると何を述べているのか理解できない… |
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スクリニーング検査では避けられない偽陰性と手順の逸脱による「見逃し」を峻別してデータを解釈すべきという指摘ですね |
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偽陽性や偽陰性は検査技師や医師に全く落ち度がなくても生じるものです |
第9回がん検診に関する検討会議事録
偽陰性率、偽陽性率のデータというのがここにお示ししたものとしてあるんですけれども、それの意味するところというのをきちんと正確に伝えるというところが今のところ不十分なところがあるということだと思います。
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スクリニーング検査では超えられない限界があるのは、皆さん理解なさっておられるのでは… |
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甲状腺検査に関する中間取りまとめでは、県民の同意を得て実施していくという方針の下で、利益のみならず不利益も発生しうること、甲状腺がん(乳頭がん)は、発見時点での病態が必ずしも生命に影響を与えるものではない(生命予後の良い)がんであることを県民にわかりやすく説明したうえで、被ばくによる甲状腺がん増加の有無を検証可能な調査の枠組みの中、現行の検査を継続していくべきと考える。としています。 |
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ありのまま事実と向き合って困難な課題の解決を目指すという姿勢ですね。皆様はどう思われますか? |
県民健康調査甲状腺検査サポート事業について
県民健康調査について - キビタンの解説、Q&A -
Comprehensive survey results of childhood thyroid ultrasound examinations in Fukushima in the first four years after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident
PREVALENCE OF THYROID NODULAR LESIONS IN CHILDREN AND ADOLESCENTS
Comparison of childhood thyroid cancer prevalence among 3 areas based on external radiation dose after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident
Letter to the Editor:Comparison of childhood thyroid cancer prevalence among 3 areas based on external radiation dose after the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident: The Fukushima health management survey
論文でも言及されている地域の分類で行動調査等に基づく外部被ばく線量を用いたことの議論があります。
「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議の中間取りまとめを踏まえた環境省における当面の施策の方 向性(案)」に関する意見募集(パブリックコメント)について
県民健康調査について
外部被ばく線量の「代表性」に関する調査のための戸別訪問実施について(2015年6月17日)
甲状腺検査での先行検査と本格検査の説明資料
NHKスペシャル「38万人の甲状腺検査~被ばくの不安とどう向き合うのか」について
Thyroid Cancer under 19 in Fukushima: the Second Report
Peter Jacob. Ultrasonography survey and thyroid cancer in the Fukushima Prefecture
When the World Health Organization reported a preliminary dose estimation in 2012, it estimated the mean population dose for the more-affected locations within Fukushima Prefecture (excluding areas less than 20 km from the plant, which were immediately evacuated), the less affected remainder of Fukushima Prefecture, neighboring Japanese prefectures, the rest of Japan, neighboring countries, and the rest of the world.
FAQのQ.4で保守的な見積もりとありますが、どのような意味ですか?
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津田先生は小さい線量でもこれまで考えられていたよりも大きな影響を与えうると主張なさっておられるのかしら? |
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この論文では曝露量の推計が過小評価となっている可能性を議論なさっておられます |
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津田先生は母乳データを元にした線量推計を 紹介なさっておられますが、バイオアッセイから線量推計では摂取シナリオに依存すると思う。急性曝露シナリオは正しいのかしら… |
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急性曝露した人には正しくて、慢性曝露した人には過大評価になっていると思う |
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皆さんは当時いかがでしたか? |
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津田先生はlatency period として4年を仮定なさっておられますが、正しいのかしら… |
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latency periodは、甲状腺検査で検出可能になってから症状が出て診断されるようになるまでの期間ですね |
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津田先生は、東電福島第一原子力発電所事故から甲状腺がんの発見期間を考慮して設定なさっておられます |
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この設定が結果に大きな影響を与える… |
内部比較での有病割合オッズ比を過小評価する方向
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スクリーニング効果とは何ですか? |
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症状に基づくがんの発見とスクリーニング検査によるがんの発見の違いですね |
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初めてスクリーニングを導入すると多数発見することとスクリーニング検査の質の違いがあると思う |
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詳しく検査するとどの程度増えるですか? |
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小児ではわかっていないのでは… |
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健常人(成人女性)でultrasound-guided FNABsを行うと3.5%で甲状腺がんを発見(Takebe et al. )という報告があります。 |
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症状があって発見される場合の千倍以上とありますね |
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剖検で3mm以上の甲状腺がんが発見される割合は5.2%ともあります |
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小児ではどうなのかしら… |
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何が問題なのだろう… |
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放射線のことを心配している方と、不条理ではあっても小さいリスクをacceptableだとは言えないけどtolerableだとしたものの引っかかる ものがある方を支援しようとするそれぞれのヒューマニズムがぶつかってしまっている気がする… |
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だとすると以下のコメンタリーにどう向き合えるかが問われているのかも… |
Screening For Thyroid Cancer after the Fukushima Disaster: What Do We Learn From Such An Effort?.
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何らかの数理モデルを使ってこの状況を予測なさっていた方はともかくとして、津田先生の論文で書かれている思ったよりも増えていて、スクリーニング効果だ けでは説明しがたいということは皆さん一致するのでは… |
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予想よりも甲状腺がんの発見数が多かったことの原因としては、放射線曝露による甲状腺がんの増加、スクリーニング効果(潜在的な疾患の発見(検査法の進 歩?))、過剰診断、その他が考えられそうです |
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チェルノブイリ原子力発電所事故後の甲状腺がんでは、乳頭がんが多いようですが、A high incidence of poorly differentiated components aggressive potential Radiation-induced Papillary Thyroid Cancer may be pathologically more aggressive than sporadic PTC in age-matched groupsとあることへの懸念もあるのだろうと思う |
Childhood Thyroid Cancer: Comparison of Japan and Belarus
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過剰診断という新たなリスクを告げられることの戸惑いもあると思う |
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腫瘍が大きくなると手術時のリスク増えるかもしれないなどの理由で、手術するという選択もあると思うけど、悩ましいですね |
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疫学者の心労も伺えます |
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このコメンタリーでは、この研究の限界(個人への曝露評価がなされておらず、リスクの程度に関する科学的な知見の提供という観点で限界がある)、この研究 成果を役立る方策(地方自治体や住民にも役立つものとする方策)、疫学研究でのリスクの検出について議論されています |
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それぞれの立場の方が相手方の背景にあるモチベーションを考えて、建設的な議論とできるかしら… |
「Epidemiology」誌掲載の津田敏秀博士による論文に関する、Scott Davis博士による論評の要点をご紹介します
津田敏秀博士らの論文の方法の誤りを指摘したLetterが「Epidemiology」誌電子版に掲載されました
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相対的に経口摂取が多い方でも、調査に協力なさっておられないのは何故なのかを考えてもよいのでは… |
岡山大学チーム原著論文に対する医師らの指摘・批判への、津田敏秀氏による回答集
岡山大学チーム原著論文に対する指摘・批判への、津田敏秀氏による回答集その2
Published Ahead-of-Print- Last Updated: February 3, 2016
フランシン・レイデン会長によるコメント
ISEE letter sent to Japanese Authorities Re: Fukushima.
ISEE2015
OPEN DISCUSSION ON ISEE S LETTER TO THE AUTHORITIES IN JAPAN CONCERNING THE PAPER BY TSUDA ET AL. 2015
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線量レベルがほぼ同じと考えられる市町村をまとめて、線量と甲状腺がん発見の割合の関係を調べているのを見ると、色々と考えてしまう… |
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本当に知りたいのは放射線と甲状腺がん発症の関係ですが、他の要因が関係していないか吟味するとよいと思う |
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本格調査での結果が気になるところですが、何に注意すべきかしら |
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本格調査での結果が、先行調査よりも差が見えにくくなっているとすると、本格検査は27年度地域の二次検査受診割合がまだ40%であることに注意すべきだと思う |
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受診するタイミングで受診している集団の特性の何かが違っていると、その違いを見ているのかもしれません |
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パワーが足りないだけで、二次検査受診割合が高くなると差が見つけられるのかもしれない |
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偶然によって持たらされていたものだとサンプルサイズが大きくなると、その誤りも減らせますね |
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先行調査でも平成25年度 実施対象市町村では、二次検査受診割合が75%であることはどのような影響を及ぼしていそうでしょうか? |
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県の発表では 「 一次検査受診者 300,476 人を地域別に分析した結果、B・C 判定率は「避難区域等 13 市町村」、「中通り」、「浜通り」、「会津地方」の順で増加傾向が見られた。」とあります。何を意味しているのでしょう? |
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検査実施時期の違いを示しているのではないでしょうか |
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津田先生の論文に書かれている県民健康調査のスケジュールは、放射線リスクを見出す観点からは不利に働くとある課題ですね |
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この解釈でデータの説明は整合性がとれそうかしら |
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データを解釈する際には、フェアかどうか、そのアプローチの優れた点と欠点・限界は何か?に意識的であるとよいのではないでしょうか。地域別に違う要因で、判定割合に影響を与えそうなものを検討してみるのはいかがでしょうか |
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検査時期の補正も気になるところです |
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疫学調査では、検査実施時期はどのように調整するのでしょうか? |
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説明できそうなモデルがあれば、それをあてはめて調整することが考えられると思います |
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死亡率の地域差を比較するようなイメージですね。年齢調整も同様にできるのではないかしら |
Secondly, even if the guidelines for testing were unchanged during the study period, the actual practices of testing may have differed at different time periods after the disaster, depending on differences in the residents’ anxiety about radiation exposure in different regions. Among approximately 2,000 persons who underwent confirmatory testing, the biopsy rate to obtain cytological diagnosis was the highest (47.7%) in the 13 municipalities with evacuation zone, possibly reflecting patients’ high anxiety about radiation contamination; this rate was the lowest (16.7%) in the Aizu region28.
However, further careful consideration is needed to determine possible causes of biases regarding regional prevalence rates of thyroid cancer.
原子力災害における甲状腺への健康影響を正 しく判断するためには,スクリーニングバイアスが大きいため,一定の基準でスクリーニングを行わなければ,真の結果がわからなくなる恐れがある.
福島県における甲状腺がん有病者数の推計
Changing Incidence of Thyroid Cancer
Increasing Diagnosis of Subclinical Thyroid Cancers Leads to Spurious Improvements in Survival Rates
日本における非寄生性風土病
八丈島における甲状腺疾患と食事調査について
甲状腺がんと甲状腺疾患
厚生労働省.甲状腺がんと放射線被ばくに関する医学的知見について
日本における甲状腺腫瘍の頻度と経過
中学生・高校生における慢性甲状腺炎の疫学調査
甲状腺腫の発生率に関する研究 : 第2報:長野県下2地区における調査成績
小児慢性甲状腺炎の疫学的及び臨床的研究
内分泌外科シリーズ第9報:甲状腺癌の疫学に関する最新のデータ
感度を向上させた検査を行うことで県民健康調査での甲状腺がん検査のように甲状腺がんの症例が検出しうることを示しています。
Simulation of expected childhood and adolescent thyroid cancer cases in Japan using a cancer-progression model based on the National Cancer Registry: Application to the first-round thyroid examination of the Fukushima Health Management Survey
福島県内の放射線業務従事者等に対する健康診断の実施状況
放射線による健康影響の把握には、年齢構成・喫煙・飲酒・既往歴等の調査を含めた厳格な疫学的研究が必要不可欠。このため、必要な疫学的研究を着実に実施する。
① 平成25年度:白内障に関する研究、甲状腺に関する研究
② 平成26年度以降:25年実施研究に加え、必要な研究を着実に実施。
Radiation-epidemiological studies of thyroid cancer incidence in Russia after the Chernobyl accident (estimation of radiation risks, 1991–2008 follow-up period)
Leukaemia and thyroid cancer in emergency workers of the Chernobyl accident
Long-term trend of thyroid cancer risk among Japanese atomic-bomb survivors: 60 years after exposure
インフォームド・コンセントを考える-住民と共につくる前立腺がん検診とは-
アメリカでは40歳代のマンモグラフィが推奨されないってどういうこと?
科学的根拠をもとにした健康保険適用に関する判断分析の是非をめぐって
戦前・占領期を含む沖縄の平均寿命の年齢構造─水島生命表,琉球政府生命表を用いて─
ある集団でのある時点におけるある疾患を有するものの割合。
単位観測人年あたりのその疾患に罹患したものの数。
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有病割合はある時点の観測値で決まる静的な指標ですね |
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罹患率は変化を示す微分的な指標ですね |
Implication of Nitrate in Drinking Water in Kawauchi Village, Fukushima
食品安全行政における政策立案と政策評価手法等に関する研究(研究代表者(所属機関):渋谷 健司(東京大学 大学院医学系研究科)
ARCH—Agenda for Research on Chernobyl Health
Wolfgang Weiss. CHERNOBYL THYROID CANCER: 30 YEARS OF FOLLOW-UP OVERVIEW
原発事故後の福島県内における甲状腺スクリーニングについて
手術の適応症例について(2015年8月31日)
Psychosocial Issues Related to Thyroid Examination After a Radiation Disaster
若年者甲状腺癌の臨床的検討
当科における小児甲状腺癌の検討
20年を経過した肺転移を伴う小児甲状腺分化癌の放射性ヨウ素治療の1例
Prognostic factors of papillary thyroid carcinoma vary according to sex and patient age
平成27年度原子力災害影響調査等事業(福島県外における住民の個人被ばく線量把握事業)委託業務 【総合評価落札方式】
Thyroid ultrasound findings in a follow-up survey of children from three Japanese prefectures: Aomori, Yamanashi, and Nagasaki
考えるのが難しい問題だと思いますが、ProsとCons(何か行う場合に、それがもたらす「よいこと」と「よくないこと」)も考えられるとよい と思います。
ホールボディカウンタによる内部被ばく測定費用の一部を助成します
甲状腺超音波(エコー)検査測定費用の一部を助成します
ホールボディカウンターによる内部被ばく測定費用の一部を助成します
「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」のパブリック・コメントに野田市が意見提出
平成27年度甲状腺超音波検査の実施及び検査費用の一部を助成します(受け付けは終了いたしました)
あの 1 つだけ、ちょっと先ほどですね、甲状腺の過剰診断の所で一言申し上げようと思ったんですが、タイミングを失しまして最後に一言だけ。
6 月にですね、前回の部会の後くらいに県民の方から寄せられたメールを 1 通ご紹介したいと思います。 「過剰診断という言葉を子供の甲状腺のことでは初めて聞きました。子供の甲状腺をもっとしっかり調べてほしいと思っている県民が多いと思います。過剰診断と言われ、今まで のレベルの検査などがされなくなった場合、避難している方々も増々戻ってこなくなるのではないかと思います。」というようなこれは県に寄せられたメールで、これは結構、典型的な県民の意見だと思います。
例えば 2 年に 1 度の検査を毎年やれないのかとかですね、最近よほどご意見はやや落ち着いてはきておりますが、このような状況の中で専門家の皆さんのご意見だといろいろローリスクのがんであるとか、我々は結構それも承知しているつもりではありますが、一般の県民の方になかなかですね、過剰診断っていう言葉が割と一人歩きしますので、なかなか県民の心情になかなか噛み合わないというふうなことがございますので、今後いろいろ議論いただいたり方針を決めていただく場合に、その県民の方への理解、どうやって理解を得ていくかっていうところも加えてご検討いただければ大変ありがたいと思います。
検査を受ける前により詳しく情報を提供すべきではないかとの記者の質問に対して、保護者の判断を求めるのは酷だと清水修二先生が意見を述べられておられます(19分頃)。
「県民健康調査」検討委員会 第5回「甲状腺検査評価部会」(平成27年2月2日開催)後の記者会見
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いやなことを考えるのは負担です… |
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リスクは、そのお話しそのものも避けようとするのは当然だと思います |
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そのことが上の資料で示されていると思います。 |
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でも真実を知りたい気持ちもある |
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福島県での保育士研修では難しい過剰診断の話もありましたが、色々と考えないといけないと感じました |
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リスクの話をする前には、その前の関係作りが重要だと思う |
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増えているのを見逃しては困るという思いがとても強いです。原子力発電所事故後の小児の甲状腺がんで自覚症状により発見されたものが増えているとすると、スクリーニングとは関係なく、別の要因がその増加をもたらしたと考えられそうだけど、関心が高まると同じような病状でもがんが自覚されやすくなるのかしら… |
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「証明」ということばの使い方は、大事ではないかと思いました |
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どういう意味ですか? |
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証明できるような研究手法でもないのに,「証明」ということばを使うのは端的にいえばまちがいだと思います |
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「 証明できるような研究手法でもない」とはどういう意味ですか? |
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B判定の方々がきちんと追跡され、集計に反映されているのかどうかが疑問です |
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別枠で報告されることになっているようです |
分かりました。その検診のスキームとその結果の表し方というのは理解出来るんですけれども、万一、経過観察後に悪性の結果が出てしまった場合には、それはどういう形で結果が出され、まとめられるのでしょうか。
幸いにも今のとこそういう症例がないので、報告してはいませんけど、そういう症例があれば別枠で報告になると思います。経過観察中に発見された悪性腫瘍ということになると思います。
福島民報.甲状腺がん遺伝子変異、チェルノブイリと別型 福医大など見解
Technical Report
松田 外志朗.福島県における甲状腺がんについて
Estimated prevalence of thyroid cancer in Fukushima prior to the Fukushima Daiichi nuclear disaster
Quantification of the increase in thyroid cancer prevalence in Fukushima after the nuclear disaster in 2011—a potential overdiagnosis?
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LNTが成り立つとすると線量の平均値が低くても曝露人数多いとタイプ2エラーを減らせるのではないかしら |
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集団線量で比べてみると良いと思う |
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チェルノブイリ原子力発電所事故での影響を受けた地域での最初の一年の甲状腺への集団吸収線量は、650 thousand man Gyであるようです(Annex D 表2) |
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東京電力福島第一原子力発電所事故での日本全体での最初の一年の甲状腺への集団吸収線量は、82 thousand man Gyであるようです(Annex A 表8) |
Standardized Thyroid Cancer Mortality in Korea between 1985 and 2010
Changes in the Clinicopathological Characteristics and Outcomes of Thyroid Cancer in Korea over the Past Four Decades
Chernobyl and Fukushima—where are we now?
国際シンポジウム 東日本大震災そして福島原発事故から5年
動画
福島県立医科大学放射線健康管理学講座准教授 緑川早苗[福島リポート 18] 甲状腺検査の現場から - 子供たちに伝えたいこと
SHAMISEN Recommendations booklet is available
福島県民健康調査とこれからをどう見るか
予防医学的対応の充実こそ実践的課題
電話インタビュー 福島県・医療生協 わたり病院 齋藤紀先生に聞く
Thyroid Monitoring after Nuclear Accidents (TM-NUC) project
IARC Technical Publication No. 46: Thyroid Health Monitoring after Nuclear Accidents
解説記事
厚生科学審議会 (科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会)
Sharing Unexpected Biomarker Results with Study Participants
小児・若年者甲状腺癌の長期フォローアップ体制の構築 - 福島県立医科大学
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県民健康調査の基本調査で収集された行動記録で推計されているのは外部被ばくに留まっていますが、この推計に関してもご質問を頂きました |
(独)放射線医学総合研究所.外部被ばく線量の推計について 外部被ばく線量評価システムの概要と避難行動のモデルパターン別の外部被ばく線量の試算結果
2011/3/12-14は、Xe-133, I-131, Cs-134, Te-129m , I-132, Cs-137, Te-132の7つの核種を対象に計算し、2011/3/15以降は計測された線量率のデータを利用しています。
2011/3/12-14は、主に寄与すると考えられる7つの核種を対象としています。
2011/3/15以降は計測された線量率のデータに基づいており、この計測は核種を弁別しておらず、空間線量率として計測したものです。この計測では複数の計測法を組み合わせたものとはなっていません。
実測されたのは空間線量率で外部被ばく線量を引き起こすものです。主には放射性セシウムによります。
各核種の寄与は評価期間によって異なります。 数か月の積算線量の計算でも放射性ヨウ素の寄与を考慮していると、主に効いてくるのは放射性ヨウ素による放射線曝露であることが確認できます。
福島 俊彦、鈴木 眞一、古橋 知子.甲状腺癌患者に対する支援 患者会の設立と今後の課題
パンフレット「受けて安心 甲状腺検査」
全般的には、放射線による甲状腺がんのことを心配している方に対して、安心していただき不安を取り除こうと無害原理に沿った対応になっているように見受けられます。
放射線のリスク情報を提供している3ページの漫画は、恐怖アピールによる説得となっていると見受けられますが、「多発」の原因が必ずしも明らかになっていないことや検査の不利益を示していない点がアンフェアなものにはなっていないでしょうか(よかれと思った善意のコミュニケーションを目指されていると思いますが)。
検査の不利益の扱いに関しては、余計な心配をさせたくないとの思いのあまり、リスク情報を提供する倫理的な義務を果たしていないとは考えられないでしょうか(難問だと思います)。
レセプト情報・特定健診等情報データベースの概要と活用の方向性 ―滋賀県特定健診データ分析事例から―
岡本悦司.レセプト情報活用の事例 と NDBの法的位置づけ
岡本悦司.ナショナルデータベースの法的検討
NDBオープンデータ:作成の背景と目的
福島県民健康調査における甲状腺検診で、検査規模の縮小ではなく、検査の維持を求めることについて
「過剰診断」は検診プログラムでのデメリットを示す概念です。
検診を起こった結果、見つかった甲状腺がんに関して、手術を行った場合に(検診を行い発見されたという前提で)、それが適切かどうかと、「過剰診断」の程度かどうかは別の議論になります。
福島県民健康調査における甲状腺スクリーニング検査の倫理的問題
岡﨑 龍史, 太神 和廣, 横尾 誠, 香﨑 正宙.福島県における原発事故後の放射線影響と福島県民健康調査に対する意識調査
樫田美雄.研究倫理の討議的達成の相互行為分析-福島原発事故・甲状腺検査評価部会のケーススタディ-- For Interaction Analysis of the Discussional Achievement of the Ethics of Clinical Research: A case study of the evaluation meetings of thyroidal screening
tests in the Fukushima Public Health Care Investigation guarding against the Fukushima Nuclear Plant Accident
松田 外志朗.福島県における甲状腺がんについて
Thyroid Cancer Incidence around the Belgian Nuclear Sites, 2000–2014
交絡因子や偶然変動の制御など結果の解釈の課題があると思われます。
Ghirga G. Cancer in children residing near nuclear power plants: an open question
なかなか難しいところもあるかもしれませんけれども、実際、受診対象となっておられる方の代表されるような方を何らかの形で入っていただいた方がよろしいかと思うんですけれども、そこら辺はいかがですか。
食育に関係する皆様向け
・自己効力感
・災害発生前での疫学研究の研究倫理審査
・放射性ストロンチウムの健康影響
・ 原子力災害後の甲状腺モニタリング
・ため池の除染
・害虫から農作物を守るための放射線利用
・保健師や保育士の役割
・安定ヨウ素剤 stable iodine tablets
・リンク
・放射性セシウムのCodexの基準と日本の食品の基準
・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング
・自己効力感 self-efficacy
・WHOと米国の水道水中の放射性物質の基準の違い
・災害発生前での疫学研究の研究倫理審査
・減衰補正が正しくない?(親核種から供給される子孫核種)
・安全 safety, freedom from unacceptable risk
・ホット・パーティクル hot particle
・子孫核種 progeny nuclide
・県民健康調査 Fukushima Health Survey
・余命損失 Loss of life expectancy
・原子力発電所事故後の体表面スクリーニング
・サブマージョン submersion
・放射線リスクコミュニケーション 相談員支援センター Support center for social workers engaged in recovery from the nuclear disaster
・安定ヨウ素剤 stable iodine tablets
・薪ストーブをめぐる近隣トラブル
・落ち葉を使ったたき火や薪を燃やした火おこし
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