解答結果
あなたの解答
林野火災と放射性物質の飛散
以下の文章は正しいですか?
『林野火災では放射性物質が飛散する。』
解説文
飛散するかしないかではなく、飛散する量が大きいかどうかが問題となります。
火災による影響があるかないか?
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火災による放射性物質が飛散するという話と影響がないという話があります。どちらが正しいのだろうか? |
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空間線量率の変化で放射性物質の再飛散を捉えるのは限界があると思う |
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モニタリングなどの手間を考えると、どの程度まど検出すべきかも難しい話だと思う |
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頑張ればごく僅かであっても空気中濃度の増加が検出されるかもしれないけれども、どこまで検出できるかですね… |
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空気中の放射性セシウム濃度は様々な要因で決定されるので、山林火災の影響だけを取り出すのは工夫が必要そうです |
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それだけ増加の程度が大きくないとも考えられそうですが、全ての要素を考えても吸入量がどの程度かを確認することもリスクを考える上では大切ではないかしら |
山林火災後の検証例
浪江町
第3回除染検証委員会
浪江町林野火災に伴う放射性物質の 環境影響把握のための調査結果 (中間報告)平成29年11月14日
福島県
浪江町林野火災に伴う放射性物質の環境影響把握のための調査結果について(中間報告)平成 29 年 12 月 6 日
影響がないとしている例
Q13 山火事によって放射性物質が森林から外に飛散する心配はないですか?
影響を示唆していると考えられる例
浪江町井手地区の林野火災現場周辺の環境放射線モニタリング状況等について(逐次情報が更新されていました。観測データに基づく考察も述べられ、今後の対応(=今般のダストについて組成成分の詳細調査を実施するほか、林野庁等が動態調査の実施に向けた調整を進めており、これらの調査結果や専門家の意見も参考にしながら影響を評価してまいります。)についても記述されています。)
モニタリング量が環境中の放射性物質の量を反映しているかどうかはモニタリングの質にも依存します。環境中に既に存在している量に比べて相対的に小さい変化を捉えるためには比較のためのデザインの質を確保する必要があると考えられます(事態対応時のモニタリングでは限界あるとも考えられるでしょう)。
検討例
飛散
汚染稲わら等を野焼きすると、含有する放射性セシウムの約3割が空中飛散(農研機構・農環研)
溶出性の変化
放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分 (技術資料 第四版)
参考資料等
空気中濃度と空間線量率
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空気中に放射性物質が飛散してもモニタリングポストでの線量率で変化として捉えられないのは、少しの濃度の増加が空間線量率の増加に効いてこないからかな? |
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空気中濃度の増加と空間線量率の増加の関係は、計算で確認できると思う |
空気中濃度と空間線量率との関係は計算で調べることもできます
Cs-137の空気中の濃度が1 Bq/m3の場合の空気中のCs-137による線量率は0.1nSv/h程度だと考えられます。
データ集の例
EPA-402-R-93-081, Federal guidance report No.12
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空気中濃度が多少上がっても、空間線量率の増加としては表れないのですね |
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元々、バックグラウンドレベルの空間線量率が高くなっていると、余計に検出が困難そうです |
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原子力事故以降、空気中の放射性物質の濃度が高くなっているので、わずかな増加を検出しがたくなっていると思う |
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今回の林野火災では福島県は迅速に対応し、情報も公開してると思うけど、一般の人には分かりにくく、少しでもあれば危機感をもってしまう人もいるでしょうから、発表の仕方を工夫する必要があるのではないでしょうか? |
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危機感を持つのは当然として、どの程度、危ないかを定量的に考えられるとよいのではないかな |
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この前、参加した自治体の放射能勉強会のような楽しく意見交換できる機会が必要ではないかな |
放射線影響としてのインパクトは?
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福島県の発表では、やすらぎ荘(浪江町)でのH29.5.2 11:31~13:31のダストサンプリングでは、Cs-137が0.81 mBq/m3とありますが、この空気を一定期間(1日、1か月、半年間)吸った場合の内部被ばくの実効線量を示すともっと分かりやすいと思うのですが… |
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計算は簡単ですね |
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一日の呼吸量を20 m3とすると、一日に吸入するCs-137の量は約20 mBqなので、 Inhalation of particulate aerosol: AMAD = 0.030 micron, absorption Type S, f1 = 0.01を仮定すると、一日の吸入による預託実効線量はおよそ2.6 nSvとなります |
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Cs-134とCs-137の比を0.13:0.87とするとCs-134も考慮すると2.7 nSvになります |
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ということは一月間の吸入で0.1μSv、半年間で0.5 μSvですね |
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消防の作業の方の曝露濃度はこれよりも高くなると思うけれど作業環境モニタリングやマスクの測定で推定できそうです |
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どのような情報を共有すべきかでも対立がありそうです |
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屋内退避の効果も限定的でプルーム通過時の効果は大きくても、しばらく時間がたつとほぼ平衡になってしまうことも予防焦点モードだと受け入れがたい情報かもしれない |
プルーム通過時の屋外と屋内の放射性物質の濃度の推移

マイクロ・シーベルト
空間線量率が増加している?
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火災による放射性物質の飛散でモニタリングポストの空間線量率が増加しているという話があります。本当でしょうか? |
降雨との関係

降雨に山林火災による放射性セシウムが含まれている場合には、雨がやんだ後も地表に沈着した放射性セシウムにより空間線量率が増加します。
降雨との関係が示された空間線量率の情報例
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何かあったときに、モニタリングポストの値を確認するのは良いことだと思う |
福島県
福島県 環境放射能監視テレメータシステム
茨城県
茨城県 環境放射能監視テレメータシステム
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自然放射性物質が降雨により降下したことの影響ですね |
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よく誤認されやすいと思うけど、間違えても訂正すれば良いと思う |
山林火災で空間線量率が増加したと誤認したことへの率直な反省例
【福島県浪江町の森林火災について】の記事への追記❤
空間線量率が周期的に変動している?
この火事の影響で線量が上がっているといった情報が拡散されている現状をどう考えるか?
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行政や東電への不信があり、正確な情報を行政が示しても、情報が隠ぺいや捏造されているので信頼できないといった人たちが少なくないと思う。残念な事です |
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内部線量や外部線量が小さいから大丈夫とは単純に考えられないというお話しもお伺いしました |
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イノシシや山菜で濃度が高いものがあるということは、ワンダーランドである山林の放射性セシウムがあること意味し、そのことは容易には受け入れられないということですね |
リスク情報を発信することの意義と課題
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モードの違いにより、求める情報の方向性が異なり、より慎重にすべきという考えと、安全なので心配しなくよいという考えに引き裂かれて無用な対立が生じるのを何とかしたい… |
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自治体はダストサンプリングを含めたモニタリング結果を迅速に発表して心配する人々の期待に答えていると思うけど、大丈夫だと思いたい方々はその健康影響へのインパクトが小さいことを理解した上で事実を明らかにする行政の活動をサポートして下さるとよいのではないかな… |
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事実を明らかにすることで心配になりかねないとか疎ましいと思われる場合も自治体の行政サービスを利用なさると良いと思う |
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このようなリスクをあえてプレス発表することに納得がいかない方も皆さんそれぞれの社会的な正義感に基づく思いだと思う |
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捕集効率を示して欲しいという意見も測定の質の評価上、もっともなものだと思う |
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自治体にお願いして開催した地区での放射線の勉強会は、定量的なことを近所の方々と一緒に考えられてとても楽しかった… |
山林・林野火災への対応例
浪江町井手地区の林野火災
浪江町からの情報提供
十万山国有林野火災
福島県からの情報提供
浪江町井手地区の林野火災現場周辺の環境放射線モニタリング状況等について
行政機関とは独立した測定例
福島高専布施先生
5月1日(2017)いわき市中央台付近
5月2日(2017)富岡町夜の森の桜付近のダスト
5月2日浪江大堀小学校付近でのダストサンプリング
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福島県ではダストモニタリングを追加していて、環境の挙動も追おうとしていますね |
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バックグラウンドが比較的高くて(健康リスクの観点ではない表現です)変動しているのでわずかな影響だと検出しがたくなっているけど、鎮火後の挙動の変化も確認しようとしているのですね |
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近いところでの変化だけで判断するのではなく、熱により飛散した放射性セシウムは一旦大気中を上昇し、風で流されて冷えた後に降下することも考えた空気中濃度分布の推定が求められると思う |
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その一方でインベントリから考えて、気にしすぎるのもどうかという思いを持つ方もおられると思う |
周辺でのダストモニタリング
TEPCOの1Fでのダストサンプリング
速報性を重んじ、検出限界が粒子状のCs-137で約6E-8Bq/cm3と比較的大きいので検出限界を超えていないようです。
防衛省の対応
福島県伊達市霊山町における山林火災に係る災害派遣について 平成28年3月30日(21時30分現在)
福島県双葉郡浪江町における山林火災に係る災害派遣について 平成29年4月30日(20時30分現在)
報道例
地域メディア
浪江の山火事デマ拡散 専門家ら「まどわされないで」(福島民友 2017/5/3)
海外向け
Wildfire rages in highly radioactive Fukushima mountain forest
関連記事
落ち葉を使ったたき火や薪を燃やした火おこし
室内の埃に含まれる放射性物質に由来した線量
味噌汁は放射線防護に有効?
もしかしたら有効かもしれませんが、疫学研究での成果は得られていないようです
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味噌は文化的な背景もあるので、そのパワーを信じたいという気持ちも理解できるような気がします… |
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なので子供を守るための行動が高血圧で家族の健康を害していると非難されることにいたたまれなくなることもあるのだと思う… |
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子供を放射線からも守るためにPo--210を減らした食生活をすべきかどうかという問いに答えを出せるのだろうか… |
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でも保育園建設時に建材を吟味した方がよいのでは… |
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皆様はどう思われますか? |
原子力災害後の現存被曝状況でのALARAとは?
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「放射線アドバイザーによる専門家意見交換会」(平成 28 年1 月 30 日(土))では会場で傍聴していた方からアドバイザーの方全員に対して、平米あたり20万Bqの庭先にみなさんのお子さんやよちよち歩きのお孫さを砂遊びさせますかとの質問があり、アドバイザーのうち半数以上は遊ばせると回答し3割弱は遊ばせないと回答したことをどう受け止めるかという問題とも構造としては共通するのかもしれません |
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心配して子供のためにベストを尽くしたいと思っている方にとっては、遊ぶ時間を考慮するだけでなく、遊び時の気象条件別に手についた泥の量を推計し、手洗いの方法別に、それがどの程度洗い落とさせるかを「正確に」推定し、損失余命を示されて、その数式を追うように言われても納得しがたい思いが残るではないだろうか… |
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線量としては小さいので、かける手間との対比になってしまうけど、山歩きをどう考えるかですね… |
林野庁
福島県浪江町・双葉町国有林火災跡地の実態調査の結果について(平成29年6月23日)
農林水産省農林水産省は、平成29年4月29日に福島県浪江町の国有林で発生(5月10日鎮火)した林野火災の跡地における空間線量率等の実態調査の結果を取りまとめました。
今回の調査では、燃焼箇所及び非燃焼箇所で空間線量率に明確な差は見られなかったこと、土壌等とともに放射性物質が流出する可能性は低いと考えられることがわかりました。
森林の対策
林野庁
東日本大震災に関する情報
森林総合研究所
森林内における放射性セシウムの動態
関東森林管理局
森林放射性物質汚染対策センター
意見の対立の整理の例
【本当?デマ?】浪江町の山火事で放射性物質が飛散する問題・ツイッターの意見を徹底比較!
意見の対立のうち科学的な事実確認に関する基礎知識
空気中濃度の空間線量率
どの程度濃度が上昇すると空間線量率の上昇として識別できるか?
空間線量率の変動要因
雨が降ると空間線量率が上昇するのは何故か(自然の放射性物質の降下による。さらに降雨が続き地表に溜まると地表を覆って線量率を低下させる?
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